8月の失業率5.3%へ小幅上昇も依然低水準

不完全就業率は14.7%へ上昇(前月13.8%)

2022/10/06

  フィリピン統計庁(PSA)は、10月6日、2022年8月の労働力調査(LFS)速報を発表した。それによると、2022年8月の失業率は5.3%で、約3年ぶりの低水準となった前月からは0.1%ポイントと僅かに上昇した。しかし、歴史的には依然低水準であり、前年同月の8.1%からは2.8%ポイント改善した。

 フィリピンの労働力調査結果の比較
2021 2022
8月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月
労働参加率(%) 63.6 60.5 63.8 65.4 63.4 64.0 64.8 65.2 66.1
就業率(%) 91.9 93.6 93.6 94.2 94.3 94.0 94.0 94.8 94.7
不完全就業率(%) 14.7 14.9 14.0 15.8 14.0 14.5 12.6 13.8 14.7
失業率(%) 8.1 6.4 6.4 5.8 5.7 6.0 6.0 5.2 5.3
平均週労働時間 39.6 41.8 40.8 40.6 40.1 39.8 40.3 40.5 40.5
(出所:PSA資料より作成、2022年は速報値)

 2022年8月の15歳以上の人口7,652万人のうち、労働力人口は5,055万人で、労働参加率は66.1%となり、前年同月からは2.5%ポイント上昇した。

 就業者数は前年同月比で8%増の4,787万人に達した。新型コロナウイルスに関する規制緩和が寄与した。就業者を業種別に分類すると、農業部門が22.6%(前年同月25.1%)、鉱工業部門が17.5%(同18.9%)、サービス部門が59.9%(同56.0%)であった。就業形態は、賃金労働者が全体の61.6%を占め、その48.0%が民間企業労働者、8.9%が政府系企業社員・公務員だった。自営・事業主は全体の29.2%、無給家内労働者は9.2%。また、週平均労働時間は40.5時間で、前年同月の39.6時間を約0.9時間下回った。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の65.6%(前年同月62.6%)。

 不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は前年同月比で8%増の703万人。不完全就業率は14.7%で前月の13.8%から上昇、前年同月の14.7%と同水準であった。不完全就労者全体の62.3%が労働時間週40時間以下だった。
 
 失業者数は前年同月比で31%減の268万人。年齢層でみると、15歳-24歳が全体の30.8%、25歳-34歳が34.1%と合計で全体の64.9%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は38.7%(卒業者は30.9%)、大学進学・卒業者では40.8%(卒業者は30.3%)だった。性別では、男性54.1%、女性45.9%と男性が上回っている。