続報:9月末の外貨準備高、2年3カ月ぶりの低水準に

ペソ安等で7カ月連続減、前年同月比11%減の950億ドルへ

2022/10/10

 フィリピン中央銀行(BSP)の10月7日の速報データによると、2022年9月末の総外貨準備高(GIR)は前年同月末比10.9%減の950億1,400万米ドルにとどまった。前月末の974億4,200万米ドル(改訂値)からは2.5%減少した。そして、7カ月連続減少、2020年6月の934億6,000万米ドル以来、2年3カ月ぶりの低水準となった。

 9月末のGIRは、輸入・第一次所得の7.6カ月分に相当する十分な外部流動性バッファーを表している。さらに、短期対外負債の約6.8倍(元本ベース)、残存ベースで4.1倍に相当する水準でもある。

 前月末からの減少は、主に、政府の外貨債務の支払い等のための外貨引き出し及び国際金価格の下落に伴う中央銀行の金保有高の再評価損を反映している。同様に、GIRからBSPの短期負債等を差し引いた純外貨準備高(NIR)は、9月末時点で、950億米ドルとなり、前月末(974億米ドル)から24億米ドル、率にして2.5%減少した。

 フィリピンの総外貨準備高推移(単位:百万米ドル)
項目 年末値  9月末 伸び率
年・月 19年 20年 21年 21年 22年 前月比 前年同月比
総外貨準備高(GIR) 87,840 110,117 108,794 106,596 95,014 -2.5% -10.9%
輸入カバー率(月数) 7.6 12.3 9.6 10.1 7.6 -
(出所:BSP資料より作成、2022年9月末は速報値)