22年9カ月決算発表開始、先陣の有力銀行BPIは74%増益

純利益305億ペソ、総資産2.5兆ペソ、NPL比率1.9%へ低下

2022/10/21

 2022年9カ月間(1月~9月)の決算発表シーズン入りとなった。まず、アヤラ財閥傘下の有力拡大商業銀行のバンク オブ ザ フィリピン アイランズ(証券コード:BPI)が、10月20日、2022年9カ月間の決算速報を発表した。

 BPIの当9カ月間の総収入は前年同期比(以下同様)22.1%増の875億ペソ。主力の純金利収入は20.5%増の616億ペソへと二桁増加した。純金利率は23ベイシスポイント(bps)改善し3.53%となった。また、サービス・手数料収入など非金利収入は26.2%増の258億ペソ。一方、総営業費用は9.9%増の401億ペソへと増加したが、増収効果にくわえ、貸倒引当が26.8%減の75億ペソに減少したこと、税金費用の正常化などで、純利益は74.3%増の305億ペソへと大幅増加した。株主資本利益率(ROE)は13.73%、総資産利益率(ROA)は1.66%。

 一方、資産売却及び税金調整の効果を除いた実質ベースでは純利益は54%増の268億ペソで、株主資本利益率(ROE)は12.05%、総資産利益率(ROA)は1.46%だった。

 
 2022年9月末の総融資残高は前年同月末比(以下同様)15.4%増の1兆6,000億ペソ。一方、受入預金残高は13.2%増の2兆ペソ。そのなかで、コストの低い当座預金・貯蓄口座(CASA)預金残高は7.5%増加、CASAの全預金残高に占める比率は76.1%となった。また、預貸率(LDR)は78.7%となった。総資産は11.8%増の2兆5,000億ペソ、株主資本は3,134億ペソへと増加した。

 バーゼルⅢ基準でのリスク加味自己資本比率(CAR)は16.8%で中央銀行の最低基準10%を大幅に上回っている。補完資本(TIER2)を除いた普通株式中核自己資本(CET1)比率も15.9%と良好で中央銀行の最低基準を大幅に上回っている。一方、不良債権(NPL)比率は1.94%と改善し、NPL貸倒引当率は176.9%と上昇した。