九州電力、比再生可能エネルギー企業に出資

ユーチェンコ財閥のPGEC株式25%取得手続き完了

2022/10/27

 ユーチェンコ財閥傘下のエネルギー企業であるペトロエナジー リソース(証券コード:PERC)は、10月26日、フィリピン証券取引所(PSE)回覧07939-2022号にて、「九州電力の子会社であるキューデン インターナショナル コーポレーション(KIC)が、PERCの再生可能エネルギー子会社であるペトログリーンエナジー社(PGEC)への出資手続きを完了した」と発表した。

 この出資案件は、ペトログリーンエナジー社(PGEC)が総発行株式数の25%に相当する新株をKIC向けに発行する。すなわち、KICがPGECに25%出資するというものである。この出資完了後のPGECの資本金は21億3,700万ペソ(約51億円)、PERCのPGEC保有比率は現行の90%から67.5%に、EEIパワーの保有比率は10%から7.5%へと低下、KICの保有比率が25%となる。

 PGECは、バタンガス州サントトーマスでのマイバララ地熱発電(32MW)、タルラック市のPEZA工業団地「セントラルテクノパーク」内でのタルラック太陽光発電(70MW)、アクラン州でのナバス風力発電(36MW)など再生可能エネルギー事業の実績を積み上げてきている。これらの総発電能力は138MW(持分発電能力は74MW)。また、最近、中部ルソン島パンガシナン州ブガロン太陽光発電(25MW)プロジェクトとボホール島ダゴホイ太陽光発電(27MW)プロジェクトにおいて、エネルギー省(DOE)からの太陽エネルギー運用契約および環境天然資源省(DENR)から環境コンプライアンス証明書(ECC)を取得した。

 九州電力やキューデン インターナショナル コーポレーション(KIC)も、10月26日、上記と同様な発表を行った。KICは、九州電力グループがこれまで国内外で培った技術・ノウハウを活かし、現地に根差したネットワークを有するPGECを、フィリピンにおける再生可能エネルギー開発のプラットフォームとすることで、フィリピンでの再生可能エネルギー開発を推進し、フィリピンが目指す電源の低・脱炭素化に貢献して行くと表明した。

 九州電力グループは、2020年初に、フィリピンのパラワン島及びセブ島においてパワーソース社(本社:マニラ首都圏マカティ市)が実施しているマイクログリッド事業に参画した。マイクログリッド事業とは、基幹送電系統に接続されていない地域において、ディーゼル・太陽光発電設備等で発電し、地域内の需要家に対して電力を供給する地産地消の事業である。九州電力グループとして初めての海外離島向け電化事業となった。

 今回のPGECへの出資により、九州電力グループの海外発電事業の持分出力は約2,830MWとなる。今後も、これまで培った高い技術力や豊富な経験を活用し、「九州電力グループカーボンニュートラルビジョン 2050」に掲げる低炭素で持続可能な社会の実現に向けて、挑戦を続けて行く方針である。