ペソ10月は1.1%上昇、過去最安値59ペソへ下落後に反発
市場介入や米利上げ減速観測浮上で、10カ月間では12%下落
2022/11/01
フィリピン銀行協会(BAP)のペソ対米ドル為替データによると、2022年10月28日の終値は1米ドル=57.970ペソで、前月末から0.655ペソ上昇、率にして1.13%のペソ高となった。10月の終値ベースで最もペソ高となったのは28日の1米ドル=57.970ペソ、最もペソ安となったのは3日、10日、13日、17日の1米ドル=59.000ペソであった。
10月は中旬まで米国の大幅利上げ継続観測にともなうドル大幅高、フィリピンの貿易赤字急拡大・対外収支急悪化などを背景に、ペソ下落基調が続き、終値ベースでの過去最安値1米ドル=59ペソを記録するに至った。しかし、下旬に入ると、中央銀行(BSP)のペソ急落防止方針表明や市場介入効果顕在化、クリスマス休暇シーズンに向けての在外フィリピン人(OF)からの本国送金拡大期待などにより、ペソが反発、月間ベースで9カ月間ぶりのペソ上昇となった。
2022年10カ月間では、ペソ対米ドルレートは6.971ペソ、率にして12.03%下落した。1月に0.1%と僅かに上昇したあと、米国の積極的金融引き締めの動きなどを背景に8カ月間連続でペソが下落、9月2日には終値ベースでの当時の過去最安値56.450ペソを約18年ぶりに更新する56.770ペソまで下落、その後も過去最安値更新を続け、上記のように10月には一時59ペソを記録するに至った。10月は月末にかけて小幅反発したものの、依然歴史的なペソ安水準にあるといえる。11月は、まずは1日と2日に開催される米国FOMC(連邦公開市場委員会)、そして11月17日のフィリピン中央銀行(BSP)金融委員会(MB)定例政策会合(今年7回目)等が注目される。
ペソ対米ドルレートの動き(年末値/月末値)
(出所:フィリピン銀行協会資料より作成)
10月は中旬まで米国の大幅利上げ継続観測にともなうドル大幅高、フィリピンの貿易赤字急拡大・対外収支急悪化などを背景に、ペソ下落基調が続き、終値ベースでの過去最安値1米ドル=59ペソを記録するに至った。しかし、下旬に入ると、中央銀行(BSP)のペソ急落防止方針表明や市場介入効果顕在化、クリスマス休暇シーズンに向けての在外フィリピン人(OF)からの本国送金拡大期待などにより、ペソが反発、月間ベースで9カ月間ぶりのペソ上昇となった。
2022年10カ月間では、ペソ対米ドルレートは6.971ペソ、率にして12.03%下落した。1月に0.1%と僅かに上昇したあと、米国の積極的金融引き締めの動きなどを背景に8カ月間連続でペソが下落、9月2日には終値ベースでの当時の過去最安値56.450ペソを約18年ぶりに更新する56.770ペソまで下落、その後も過去最安値更新を続け、上記のように10月には一時59ペソを記録するに至った。10月は月末にかけて小幅反発したものの、依然歴史的なペソ安水準にあるといえる。11月は、まずは1日と2日に開催される米国FOMC(連邦公開市場委員会)、そして11月17日のフィリピン中央銀行(BSP)金融委員会(MB)定例政策会合(今年7回目)等が注目される。
ペソ対米ドルレートの動き(年末値/月末値)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2012年 | 41.050ペソ | 6.80% |
2013年 | 44.395ペソ | -7.53% |
2014年 | 44.720ペソ | -0.73% |
2015年 | 47.060ペソ | -4.97% |
2016年 | 49.720ペソ | -5.35% |
2017年 | 49.930ペソ | -0.42% |
2018年 | 52.580ペソ | -5.04% |
2019年 | 50.635ペソ | 3.84% |
2020年 | 48.023ペソ | 5.44% |
2021年 | 50.999ペソ | -5.84% |
2022年 1月末 | 50.950ペソ | 0.10% |
2月末 | 51.270ペソ | -0.62% |
3月末 | 51.740ペソ | -0.91% |
4月末 | 52.190ペソ | -0.86% |
5月末 | 52.370ペソ | -0.34% |
6月末 | 54.975ペソ | -4.74% |
7月末 | 55.130ペソ | -0.28% |
8月末 | 56.145ペソ | -1.81% |
9月末 | 58.625ペソ | -4.23% |
10月末 | 57.970ペソ | 1.13% |
10カ月間 | - | -12.03% |
« 9月末の商業銀行融資残高、13.4%増の10.5兆ペソに | 9月末のマネーサプライ(M3)、5%増の15兆4千億ペソ »