10日に第3四半期GDP発表、成長率予想中間値は6.1%

年間予想は5.0%~7.6%、BW紙の16人のエコノミスト対象調査

2022/11/08

 フィリピン統計庁(PSA)は11月10日(木)午前10時より、フィリピン経済の2022年第3四半期(7月~9月)及び9カ月間(1月~9月)のGDPなど国民勘定統計を発表する。アルセニオ・バリサカン国家経済開発庁(NEDA)長官とデニス・マパ国家統計官・市民登録局長が発表、解説する。

 現地有力経済紙であるビジネスワールド紙が先週実施した16名の民間エコノミストの2022年第3四半期GDP成長率直前予想集計における予想の中間値は6.1%(最高値7.7%、最低値4.6%)となっている。新型コロナ感染減少やそれに伴う外出・移動制限緩和がプラス要因となったが、インフレ率急上昇や貿易赤字急拡大(輸入急増)が減速要因となったようだ。16人の大半が、前年同期の7.0%、前期の7.4%(速報値)からは減速との見方で一致している。

 第3四半期の実績が上記予想の中間値6.1%となると、2022年9カ月間(1月~9月)のGDP成長率は7.2%となり、政府の2022年年間成長率目標6.5%~7.5%の範囲内のペースとなる。ただし、第4四半期はインフレ加速や中央銀行(BSP)の追加利上げで一段と減速する見込み。第4四半期の成長率が2.8%に減速との悲観的な見方もあり、2022年の年間成長率予想レンジは5.0%~7.6%である。政府目標の下限である6.5%程度との見方が多い
 
 なお、PSAは2020年4月20日、国内総生産(GDP)など国民勘定統計の基準年度をそれまでの2000年から2018年へと変更すると発表した。2018年基準による近年のGDP成長率推移は以下のとおりである。

 フィリピンのGDP実質成長率の推移と予想(2018年基準、単位:%)
14 15 16 17 18 19 20 21 22予  23-25予 26-28予
伸び率 6.3 6.3 7.1 6.9 6.3 6.1 -9.5 5.7 6.5-7.5 6.5-8.0  6.5-8.0
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、予想は2022年7月8日のDBCC設定目標)