政府のGDP成長率予想、2023年6.0~7.0%へ下方修正

インフレ2.5~4.5%、1ドル55~59ペソ、原油80~100ドルと想定

2022/12/06

   開発予算調整委員会(DBCC)は、12月6日、最近の内外情勢を分析するとともに、2022年~2028年の政府の中期マクロ経済に関する前提や財政計画、成長目標の見直しを行った。DBCCは政府の経済関係部署の横断機関であり、マクロ経済目標決定などの役割を担っている。

 今回のDBCC会議において、2022年のGDP実質成長率予想(目標)に関しては、9カ月間(1月~9月)実績が7.7%に達していることから、これまでの6.5%~7.5%が継続された。2023年に関しては、主要国の景気鈍化の影響を受けそうなことから、これまでの予想6.5%~8.0%から6.0%~7.0%へと下方修正された。2024年~2028年に関しては6.5%~8.0%とされた。

 マクロ経済予想の前提条件に関しては、平均インフレ率が2022年5.8%、2023年が2.5%~4.5%、2024年以降が2.0%~4.0%と想定されている。2022年インフレ目標2.0%~4.0%の達成は不可能、2023年はインフレ目標の上限を突破する可能性もあるが低下傾向となり、2024年以降は目標内に収まると見ている。ドバイ原油価格は、2023年は1バレル80米ドル~100米ドル、2024年以降は同70米ドル~90米ドルに低下すると想定されている。ペソ対米ドルレートに関しては、2023年が1米ドル=55ペソ~59ペソ、2024年以降が同53ペソ~57ペソと想定されている。

 中期財政計画に関しては、経済活動が回復ピッチを強める一方、新型コロナウイルス対策支出はピークアウトしたと見られることから、歳入の伸び率が歳出の伸び率を上回ると想定されている。その結果、財政赤字対GDP比率は、新型コロナ対策費調達等で高水準であった2021年の実績8.6%に対し、2022年6.9%、2023年6.1%、2024年5.1%と改善傾向を辿り、2028年には3.0%にまで低下すると想定されている。

 フィリピンのGDP実質成長率の推移と予想(2018年基準、単位:%)
14 15 16 17 18 19 20 21 22予  23予 24-28予
伸び率 6.3 6.3 7.1 6.9 6.3 6.1 -9.5 5.7 6.5-7.5 6.0-7.0  6.5-8.0
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、予想は2022年12月6日のDBCC設定目標)

 マクロ経済目標・見通しの前提条件(2022年12月6日設定) 
マクロ経済指標 2022年 2023年  2024年~28年
インフレ率(%) 5.8 2.5-4.5 2.0-4.0
ドバイ原油価格(米ドル/1バレル) 98-100 80-100 70-90
外国為替レート(ペソ/米ドル) 54-55 55-59 53-57
物品輸出増加率(BPM6基準) 4.0% 3.0% 6.0%
物品輸入増加率(BPM6基準) 20.0% 4.0% 8.0%
(出所:NEDA資料より作成)

 2022-2028年の財政収支プログラム(単位:億ペソ、22年12月6日設定)
項目/年 2022予 2023予 2024予 2025予 2026予 2027予 2028予
歳入 35,157 37,068 41,983 46,447 52,109 58,460 65,832
対GDP比率 16.1% 15.4% 15.8% 16.0% 16.4% 16.9% 17.4%
歳出 50,178 51,774 55,565 58,442 63,204 69,545 77,210
対GDP比率 23.0% 21.5% 20.9% 20.2% 19.9% 20.1% 20.4%
財政収支 -15,022 -14,706 -13,582 -11,996 -11,095 -11,086 -11,378
対GDP比率 -6.9% -6.1% -5.1% -4.1% -3.5% -3.2% -3.0%
 (出所:フィリピン国家経済開発庁資料より作成)