15日に中央銀行金融政策会合、0.50%利上げ予想が断トツ

エコノミスト15人中13名が0.50%、1名が0.25%、1名が据置予想

2022/12/13

 12月15日に、今年8回目で最後のフィリピン中央銀行(BSP)金融委員会(MB)定期政策会合が開催される。

 米連邦準備理事会(FRB)は、13日~14日、今年8回目で最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。このFOMCにおいて0.50%の追加利上げが決定されるとの予想が多いこともあって、フィリピンでも0.50%の追加利上げが決定されるとの予想が優勢である。

 有力経済紙であるビジネスワールド紙が先週末実施したエコノミスト15名対象の直前調査では、15日のBSPのMB定期政策会合においては、14名が追加利上げ、1名が金利据置が決定されると予想している。追加利上げ予想14名のうち、13名が0.50%、1名が0.25%の利上げと予想している。銀行・証券系エコノミスト10名は全員が0.50%を予想。0.25%と予想しているのはアジア経営学院(AIM)のジョン・パオロ・リベラ氏、金利据え置きを予想しているのはデ・ラサール大学のミチィ・イレーネ・コンチャダ氏である。

 なお、11月17日に開催された2022年7回目のMB政策定例会合では、政策金利体系の0.75%追加引き上げが決定された。すなわち、主要政策金利である翌日物借入金利(RRP)5.00%を中心とする4.50%~5.50%という金利コリドーに移行されることになった。RRPの5.00%は約14年ぶりの高水準であるが、更に高くなることはほぼ確実である。

 2020年12月17日から今年5月18日までは、2016年に中央銀行が金利コリドー制を導入して以降の最低水準であるRRP2.00%を中心とする1.50%~2.50%という金利コリドーが継続されてきた。しかし、インフレ高進対応策として今年5月19日と6月23日のMB政策定例会合で0.25%ずつの利上げ、7月14日の臨時会合での0.75%の大幅緊急利上げ、8月19日と9月22日の0.50%ずつの利上げ、11月17日の0.75%利上げが決定された。すなわち、6会合連続(臨時会合含む)の利上げ決定により2022年累計で3.00%の利上げとなった。

 BSPは、現在、年8回の金融委員会(MB)定期政策会合を開催している。基本的には、政策金利など重要金融政策は、MB定期政策会合において決定される。急を要する場合は、臨時政策会合において金融政策変更が決定されることもあるが稀である。2022年のMB定期政策会合開催日は、2月17日、3月24日、5月19日、6月23日、8月18日、9月22日、11月17日、12月15日。1月、4月、7月、10月は開催されないが、今年は、上記のように、7月の臨時会合で0.75%の緊急利上げが決定された。