中央銀行、22年12月のインフレ率を7.8%~8.6%と推定

新年1月5日に発表、2カ月連続で8%台の可能性

2022/12/30

   フィリピン統計庁(PSA)は、2023年1月5日午前9時、2022年12月の消費者物価(インフレ)統計を発表する予定である。それに先立ち、フィリピン中央銀行(BSP)は、12月29日、「2022年12月の消費者物価上昇率(総合インフレ率、前年同月比、2018年基準)は7.8%~8.6%の範囲内と予想している」と発表した。

 BSPは、2022年12月は電力料金やLPG価格、農産物・肉類・魚類の値上がりなどがインフレ圧力となったと見ている。石油製品やコメの値下がり、ペソ対ドルレートの上昇という緩和要因もあったが、それらではインフレ圧力を相殺するには遠く及ばず、総合インフレ率が加速、前月に続いて2カ月連続での8%台となった可能性があると推定している。

 ちなみに、11月の総合インフレ率は8.0%となり、10月の7.7%から一段と加速、現行基準(2018年基準)採用後の最高を更新するとともに、2008年11月以来、約14年ぶりの高インフレとなった。また、中央銀行の直前予想(7.4%~8.2%)の上限近くへと上昇、民間エコノミストらの直前予想コンセンサスの7.8%を上回った。