比イオンファンタジー、営業損益5億円強の黒字に転換

ASEAN黒字の58%寄与、コロナ全面休業から急回復

2023/01/16

 株式会社イオンファンタジーは、1月13日、2023年2月期9カ月間(2022年3月~2022年11月)決算を発表した。

 それによると、今9カ月間のアセアン事業については、売上高が577%増(約6.8倍)の63億6,500万円、営業損益は8億9,700万円の黒字に転換、前年同期の6億9,400万円の赤字から急改善した。前年同期は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う各国政府の規制により営業が大幅制限されていたが、今9カ月間では、ワクチン接種率の向上などに伴う政府の規制緩和により段階的に営業再開が進んだことで業績が回復した。アセアン4カ国(フィリピン、マレーシア、ベトナム、インドネシア)で営業損益が黒字化した。

 フィリピン子会社「イオンファンタジー フィリピン」(比イオンファンタジー)の今9カ月間の売上高は前年同期比42.6倍の17億0,300万円(前年同期は10月まで全店営業停止、2021年11月10日から徐々に営業再開で売上高は4,000万円と低水準)、営業損益は5億1,600万円の黒字で前年同期の7,700万円の赤字から急回復した。また、既存店売上高は、新型コロナパンデミック前の2019年3月~11月との比較では23.3%増加、海外で最も高い伸びとなっている。約1年8カ月間の全店営業休止という苦境から僅かの間で黒字転換に至った。そして、アセアン全体の営業利益8億9,700万円の約58%を占めるに至った。
 
 フィリピンでは、上記のように2021年11月に営業が約1年8カ月ぶりに再開された。新型コロナウイルスパンデミック発生以降、フィリピン政府による子供向けアミューズメント産業(プレイルームなど)の全面的営業禁止措置により、比イオンファンタジーは、2020年3月17日より2021年10月まで約20カ月間全店営業休止となっていたが、コロナ警戒レベル2への緩和(マニラ首都圏では2021年11月5日から)により、2021年11月10日より徐々に休止が解除され、11月末時点で29店舗、12月末時点では42店が営業再開に至った。2022年1月はコロナ警戒レベル3への再厳格化で、再び全店営業停止となったが2月は警戒レベル2への緩和で再び営業可能となり、3月以降は警戒レベル1への更なる緩和でビジネス環境が改善、現在はほぼ全店が営業している。

 なお、株式会社イオンファンタジーは海外では、フィリピン、中国、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムにおいて、ファミリー向けアミューズメント施設およびインドアプレイグラウンドの直営展開を進めるとともに、香港、カンボジアにおいて、ライセンス契約およびフランチャイズの店舗を展開している。

 フィリピンにおいては、2014年5月に子会社「イオンファンタジー フィリピン」(比イオンファンタジー)が設立された。同年11月に、イオンファンタジーキッズーナ・フィリピン1号店がマニラ首都圏ケソン市のショッピングモール「ロビンソンズ・ガレリア」内にグランドオープンした。その後、マニラ首都圏を中心としたドミナント化を推進するとともに、セブ、ダバオなど首都圏以外にも出店した。

 2022年12月末の店舗数は51店となった。2021年末の48店から3店増加、ASEAN諸国の中では、マレーシアの105店に続く第2位の店舗数を維持している。なお、イオンファンタジーは、12月に、中国で3店、マレーシアで2店、インドネシアで1店出店した。この結果、海外店舗数は440店、国内外総店舗数は1,044店に達した。

 2022年12月末のイオンファンタジー海外店舗数{( )内の数値は内数でFC等}
モーリーファンタジー キッズーナ その他
海外計 189(7) 193(2) 54 440(9)
中国 132(6) 48 18 198(6)
マレーシア 47 29 32 108
タイ 4 24 3 31
フィリピン 0 51 0 51
インドネシア 0 31 2 33
ベトナム 5 8 3 16
カンボジア 1 (1) 2 (2) 0 3 (3)

(出所:株式会社イオンファンタジー速報資料より作成)