22年の国際総合収支、73億ドルの赤字(前年13億ドルの黒字)
貿易赤字急増響く、外貨準備高961億ドルで輸入7.3カ月分
2023/01/20
フィリピン中央銀行(BSP)によると、2022年12月の月間国際総合収支(BOP)は6億1,200万米ドルの黒字となったが、前年同月から黒字が38.2%縮小した。12月のBOP黒字は、主に、中央銀行の外為取引差益から生じた流入を反映している。
2022年年間のBOP赤字は、72億6,300万米ドルとなった(前年同期は13億4,500万米ドルの黒字)。フィリピン統計庁(PSA)の速報データに基づくと、年間でのBOP赤字転落は、主に物品貿易収支の赤字拡大によるものである。ただし、BSPは2022年の年間BOP赤字を112億ドルと予想していたが、12月は黒字だったこともあって、予想を下回る赤字であった。
2022年12月末時点の総外貨準備高(GIR)は961億米ドルで、11月末時点の951億米ドルを1%上回った。12月末のGIRレベルは、輸入・一次所得の7.3カ月分に相当する外部流動性バッファーを表している。BSPによると、外部ショックから国内経済を保護することが可能なレベルである。さらに、元本ベース短期対外負債の約5.9倍、残存ベース短期対外負債の3.9倍に相当する水準でもある。
フィリピン国際総合収支の推移 (単位：百万米ドル)
(出所：BSP資料より作成)
2022年年間のBOP赤字は、72億6,300万米ドルとなった(前年同期は13億4,500万米ドルの黒字)。フィリピン統計庁(PSA)の速報データに基づくと、年間でのBOP赤字転落は、主に物品貿易収支の赤字拡大によるものである。ただし、BSPは2022年の年間BOP赤字を112億ドルと予想していたが、12月は黒字だったこともあって、予想を下回る赤字であった。
2022年12月末時点の総外貨準備高(GIR)は961億米ドルで、11月末時点の951億米ドルを1%上回った。12月末のGIRレベルは、輸入・一次所得の7.3カ月分に相当する外部流動性バッファーを表している。BSPによると、外部ショックから国内経済を保護することが可能なレベルである。さらに、元本ベース短期対外負債の約5.9倍、残存ベース短期対外負債の3.9倍に相当する水準でもある。
フィリピン国際総合収支の推移 (単位：百万米ドル)
| 期間 | 年間 | 12月 | |||||
| 年 | 19年 | 20年 | 21年 | 22年 | 21年 | 22年 | 伸び率 |
| 国際総合収支 | 7,843 | 16,022 | 1,345 | -7,263 | 991 | 612 | -38.2% |
| 対GNI比 | 1.9% | 4.1% | 0.3% | - | - | - | - |
| 対GDP比 | 2.1% | 4.4% | 0.3% | - | - | - | - |
