26日に22年GDP発表、事前予想中間値は7.5%

最高予想7.8%:BW紙のエコノミスト23人対象調査

2023/01/23

 フィリピン統計庁(PSA)によると、1月26日(木)、2022年第4四半期(10月~12月)および2022年年間の国内総生産(GDP)など国民勘定統計を発表する。
 
 現地有力経済紙であるビジネスワールド紙が先週実施した23名の民間エコノミストの2022年第4四半期GDP成長率直前予想集計における予想の中間値は6.8%(最高値8.0%、最低値4.6%)となっている。インフレ高進やその対応策としての金融引き締めなどにより、前期(2022年第3四半期)の7.6%、前年同期の7.8%からは鈍化したとの見方が多いが、依然堅調に推移したという見方では一致している。

 2022年の年間成長率予想の中間値は7.5%(最高値7.8%、最低値6.8%)で、2021年の5.7%から加速、政府の2022年成長率目標6.5%~7.5%の上限と一致している。7.5%成長となれば、現行基準(2018年基準)での遡上記録が残る2001年以降で最高の成長率であり、基準年は異なるが、1976年の8.8%以来の高成長となる。

 なお、PSAは2020年4月20日、国内総生産(GDP)など国民勘定統計の基準年度をそれまでの2000年から2018年へと変更すると発表した。これに伴い、2000年から2019年までの年間及び四半期毎の産業別、支出別GDP成長率などが、新基準ベースで見直され、改訂が行われた。19年間で最高となった2010年の成長率は、旧基準では7.6%であったが、新基準では7.3%へと下方改訂された。したがって、上記のように2022年成長率が7.5%となれば、現行基準で最高の伸び率となる。2020年が過去最悪のマイナス9.5%であったことの反動という要素もあるが、2022年は歴史的な高成長となったようだ。

 比GDP実質成長率の推移と政府目標(2018年基準、単位:%、予想は2022年12月6日のDBCC設定目標)
14 15 16 17 18 19 20 21 22予  23予 24-28予
伸び率 6.3 6.3 7.1 6.9 6.3 6.1 -9.5 5.7 6.5-7.5 6.0-7.0  6.5-8.0
(出所:フィリピン統計庁資料より作成)