22年末の銀行業界不良債権比率、28カ月ぶり低水準に

3.17%(前月末3.35%)に、貸倒引当率は106.8%に向上

2023/02/08

   フィリピン中央銀行(BSP)のデータによると、2022年12月末のフィリピン銀行業界の総融資残高に占める総不良債権(元利回収遅延債権)比率(NPL比率)は3.17%で、2020年8月の2.84%以来28カ月ぶりの低水準となった。前月末の3.35%から0.18%ポイント、前年同月末の3.97%から0.80%ポイント改善した。不良債権(NPL)貸倒引当率は106.84%と前月末、前年同月末から上昇した。

 総資産に占める不良資産(NPA=元利回収遅延融資+担保権行使による取得不動産等)比率は2.24%で、前月末の2.36%、前年同月末の2.69%から改善した。一方、不良資産(NPA)貸倒引当率は87.79%で前月末、前年同月末から上昇した。

 フィリピン銀行業界の不良債権・不良資産比率など(月末値、単位:%)
項目 2021年12月 2022年11月 2022年12月
総融資に占める総不良債権(NPL)比率 3.97 3.35 3.17
NPL貸倒引当比率 87.70 105.73 106.84
総融資残高(TLP)貸倒引当比率 3.48 3.54 3.38
総資産に占める不良資産(NPA)比率 2.69 2.36 2.24
不良資産(NPA)貸倒引当比率 75.34 87.48 87.79
(出所:BSP資料より作成)

 フィリピン銀行業界の不良債権(元利回収遅延債権=NPL)比率などの推移(単位:億ペソ、比率%)
年月 総融資残高 NPL残高 貸倒引当残高 対総融資NPL比率 NPL貸倒引当比率 TLP貸倒引当比率
13年末 48,970 1,355 1,609 2.77 118.69 3.29
14年末 58,324 1,348 1,616 2.31 119.83 2.77
15年末 65,273 1,365 1,616 2.09 118.42 2.48
16年末 76,121 1,442 1,728 1.89 119.89 2.27
17年末 88,656 1,530 1,843 1.73 120.44 2.08
18年末 100,779 1,778 1,871 1.76 105.22 1.86
19年末 109,661 2,241 2,075 2.04 92.59 1.89
20年末 108,726 3,949 3,672 3.63 92.98 3.38
21年末 113,911 4,525 3,968 3.97 87.70 3.48
22/1月 111,430 4,617 4,029 4.14 87.27 3.62
2月 111,504 4,727 4,070 4.24 86.12 3.65
3月 112,805 4,605 4,070 4.08 88.38 3.61
4月 113,933 4,474 4,054 3.93 90.60 3.56
5月 114,433 4,291 4,066 3.75 94.76 3.55
6月 117,159 4,213 4,090 3.60 97.08 3.49
7月 117,748 4,203 4,167 3.57 99.16 3.54
8月 118,431 4,180 4,181 3.53 100.01 3.53
9月 121,067 4,146 4,251 3.42 102.54 3.51
10月 120,642 4,116 4,292 3.41 104.27 3.56
11月 122,000 4,081 4,315 3.35 105.73 3.54
12月 126,137 3,995 4,269 3.17 106.84 3.38
(出所:BSP資料より作成)