中央銀行、次回金融政策会合は3月23日に開催

0.50%利上げの可能性も、米FOMCは3月21日~22日

2023/02/20

  フィリピン中央銀行は(BSP)は、現在、年8回の金融委員会(MB)政策定例会合を開催している。2月16日に2023年最初のMB政策定例会合が開催された。今年2回目となる次回のMB政策定例会合は3月23日に開催される。米連邦公開市場委員会(FOMC)が3月21日~22日に予定されており、その直後の第2回MB政策定例会合の動向が大いに注目される。

 3月23日のMB政策定例会合においても、追加利上げが決定される可能性が高い。 BSPのフェリーペ・メダーリャ総裁は、「実際に前月比でインフレ率がマイナスにならない限り、3月23日の会合では0.25%か0.50%の追加利上げを選択することになろう」と表明した。米国のインフレ動向やFOMCの動向にもよるが、フィリピンの高インフレが続きそうな場合は、BSPは0.50%の追加利上げも厭わないとのことである。

 2月16日に開催された今年最初のMB政策定例会合では、政策金利体系の0.50%の追加引き上げが決定された。すなわち、主要政策金利である翌日物借入金利(RRP)6.00%を中心とする5.50%~6.50%という金利コリドーに移行されることになった。この追加利上げは、2月17日から実施された。RRPは2007年央以来、約16年ぶりの高水準となった。

 フィリピン中央銀行は(BSP)は、2月16日の0.50%追加利上げ決定に際して、2023年インフレ率予想について、それまでの4.5%から6.1%へと大幅上方修正した。すなわち、2023年もインフレ目標の上限を突破、インフレ目標は連続で未達成と懸念している。2024年については、これまでの2.8%から3.1%へと再上方修正したが、インフレ目標内には収まると見ている。

 なお、2023年のMB定期政策会合は、2月16日のあと、3月23日、5月18日、6月22日、8月17日、9月21日、11月16日、12月14日開催と予定されている。ちなみに、米国連邦準備理事会(FRB)も、年8回の(FOMCを開催している。2023年のFOMCは1月31日~2月1日、3月21日~22日、5月2日~3日、6月13日~14日、7月25日~26日、9月19日~20日、10月31日~11月1日、12月12日~13日と予定されている。2月1日に終了した今年最初のFOMCでは0.25%の利上げが決定された。

 フィリピンのインフレ率推移(2012年基準と2018年基準との比較)
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年  2022年  2023年予  2024年予
2018年基準 N.A.    N.A.   N.A.  5.2% 2.4%  2.4%  3.9%  5.8%  6.1%  3.1% 
2012年基準 0.7% 1.3% 2.9% 5.2% 2.5% 2.6% 4.5% N.A.    N.A.     N.A.   
インフレ目標 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4%  2~4%  2~4%  2~4%
 (出所:PSA資料などより作成、2023年以降の予想はBSPの2023年2月16日時点の予想)