22年の卸売物価平均上昇率7.3%、前年3.1%から急加速

ルソン7.7%、ビサヤ5.3%、ミンダナオ4.2%

2023/02/24

 フィリピン統計庁(PSA)の2月23日の発表によると、2022年12月の全国総合卸売物価指数(GWPI、2012年=100)は前年同月比(以下、同様)6.7%上昇で、前月の7.2%から上昇ペースが減速した。主要8品目中、構成比の大きな部分を占める食品指数の上昇率が鈍化したことによる。2022年通年の平均上昇率は7.3%で前年の平均上昇率3.1%を大幅に上回った。

 上昇ペースが前月から減速したのは、食品(+11.7%、前月+12.3%)、飲料・タバコ(+5.2%、前月+7.9%)、鉱物燃料・潤滑油類(+22.2%、前月+25.9%)、動植物油脂を含む化学品(+2.2%、前月+2.5%)、雑工業製品(+3.7%、前月+3.8%)の5品目。一方加速したのは、原料別製品(+4.3%、前月+4.2%)、機械・輸送装置(+1.3%、前月+1.2%)の2品目。燃料を除く非食用原料(-17.7%、前月-18.2%)は依然としてマイナスだった。

 地域別上昇率については、ルソンが+6.9%で前月から0.5%ポイント低下、ビサヤ地方は+5.6%で前月から0.9%ポイント低下、ミンダナオ地方は+4.5%で前月から0.3%ポイント低下した。
 
 12月の全国GWPI上昇率6.7%は、CPI(消費者物価指数)上昇率8.1%(2018年=100)を下回った。年間平均ではGWPIが7.3%で、CPIの5.8%を大幅に上回った。では基準年が異なることに留意する必要がある。なお、GWPI発表は、CPI発表(翌月の5日前後)に比べて遅い。

 フィリピンGWPI前年同月比上昇率の推移(2012年基準、単位%)
時期 全国 ルソン ビサヤ ミンダナオ
2019年平均 1.6 1.6 2.2 1.9
2020年平均 2.5 2.5 0.9 1.6
2021年平均 3.1 3.2 0.4 4.6
2022年平均 7.3 7.7 5.3 4.2
         
2021年12月 4.1 4.1 2.2 5.0
2022年 1月 4.6 4.7 3.2 4.2
2月 5.6 5.9 3.5 3.2
3月 7.6 8.2 4.1 3.0
4月 8.3 8.8 4.3 3.3
5月 7.9 8.4 4.4 3.6
6月 9.0 9.4 5.2 4.6
7月 8.0 8.2 6.4 5.1
8月 7.6 8.0 6.2 4.3
9月 8.2 8.5 6.9 4.0
10月 7.6 7.8 6.6 4.9
11月 7.2 7.4 6.5 4.8
12月 6.7 6.9 5.6 4.5
12カ月間 7.3 7.7 5.3 4.2
(出所:PSA資料より作成)