フィリピンの資金洗浄監視対象国指定を継続:FATF総会
アジア唯一のグレーリスト、カンボジア除外、ミャンマーはブラックリスト
2023/02/27
国際的な資金洗浄を防止するための金融活動作業部会(FATF=本部パリ)は、2月22日~24日、総会を開催した。この総会において、フィリピンは、強化モニタリング対象国・地域リスト(グレーリスト)に据え置かれることが決定した。フィリピンは、2021年6月、約16年ぶりに監視対象国リスト入りしたという経緯がある。
FATFの強化モニタリング対象国・地域は、資金洗浄、テロ資金供与及び拡散金融の対策体制における戦略上の欠陥に対処するためにFATFと活発に協働することになる。FATFがある国や地域を強化モニタリング対象に据えることは、その国・地域が、特定された戦略上の欠陥を合意した期間内に迅速に解決することにコミットし、強化モニタリング対象に服することを意味する。この強化モニタリング対象リストは対外的にグレーリストとも呼ばれる。
今回の総会でのグレーリスト指定国・地域は、フィリピンのほか、アルバニア、バルバドス、ブルキナファソ、ケイマン諸島、コンゴ民主共和国、ジブラルタル、ハイチ、ジャマイカ、ヨルダン、マリ、モザンビーク、ナイジェリア、パナマ、セネガル、南アフリカ、南スーダン、シリア、タンザニア、トルコ、ウガンダ、UAE、イエメンの23カ国・地域となった。2022年10月時点のグレーリストからカンボジアとモロッコが除外され、新たにナイジェリアと南アフリカが加えられた。カンボジアが除外されたことで、フィリピンはアジアで唯一のグレーリスト指定国となった。
グレーリスト指定国より更なる厳しい監視対象である高リスク国・地域(ブラックリスト)には、北朝鮮、イラン、ミャンマーが継続指定されている。ミャンマーは2022年10月からの継続となる。高リスク国・地域は、資金洗浄、テロ資金供与及び拡散金融の対策体制に重大な戦略上の欠陥を有するとされている。高リスクと特定された全ての国に関して、FATFは、強化された顧客管理を適用することを加盟国に要請し、かつ全ての国・地域に強く求める。ただし、北挑戦とイランが「対抗措置の適用が要請される国・地域」とされているのに対し、ミャンマーは「対象となる国・地域から生じるリスクに見合った厳格な顧客管理措置の適用が要請される国・地域」とされている。
なお、フィリピンは2004年まで、資金洗浄防止非協力国家と位置づけられ監視対象リストに据え置かれていた。フィリピンは、このリスト指定解除を実現するため、FATFの意向を汲み、資金洗浄防止法強化などの努力を続けてきた。そして、2005年2月のFATF年次総会でリストから除外されたという経緯がある。したがって、上記のように、2021年6月の強化モニタリング対象国・地域指定は、約16年ぶりの監視国指定ということになる。
近年、フィリピンを舞台にした不正送金問題が発生したり、従来から指摘されていた銀行口座守秘義務が強すぎることによる中央銀行など監視機関による銀行口座調査権限制約等により、監視国再指定懸念が高まってきていた。その様な状況下、フィリピンはFATFの勧告に従って、2021年初に、マネーロンダリング防止規制強化法案(共和国法案第11521号)を成立させるなどの対応策を講じてきたが、結局、監視国再指定となってしまった。FATFは、フィリピンのマネーロンダリング防止に向けての対策強化努力を評価しながらも、更なる対策強化が必要としている。今回、特にDNFBP(指定非金融業者・職業専門家)の実体把握やリスク排除が必要とされている。DNFBPには、カジノ、不動産業者、貴金属商、宝石商、トラストカンパニーなどが含まれる。
フィリピン中央銀行(BSP)のフェリーペ・メダーリャ総裁は、FATFによるフィリピンの資金洗浄監視対象国指定が2024年1月までに解除されることを期待している。2023年1月までの解除を目標としてきたが、その目標は実現出来なかった。今後も、資金洗浄やテロ資金防止のための努力や実績を積み重ね、早期の解除実現を目指す。
なお、FATFは資金洗浄への高まる懸念に応えて、1989年フランスの首都パリで開催されたG-7サミット(先進7カ国首脳会談)において設立された組織であり、OECD加盟国などで構成される。各国の資金洗浄やテロ資金供与に関する問題点を指摘、監視国・地域指定・公表等を行うと共に、改善策推進を要求してきている。
FATFの強化モニタリング対象国・地域は、資金洗浄、テロ資金供与及び拡散金融の対策体制における戦略上の欠陥に対処するためにFATFと活発に協働することになる。FATFがある国や地域を強化モニタリング対象に据えることは、その国・地域が、特定された戦略上の欠陥を合意した期間内に迅速に解決することにコミットし、強化モニタリング対象に服することを意味する。この強化モニタリング対象リストは対外的にグレーリストとも呼ばれる。
今回の総会でのグレーリスト指定国・地域は、フィリピンのほか、アルバニア、バルバドス、ブルキナファソ、ケイマン諸島、コンゴ民主共和国、ジブラルタル、ハイチ、ジャマイカ、ヨルダン、マリ、モザンビーク、ナイジェリア、パナマ、セネガル、南アフリカ、南スーダン、シリア、タンザニア、トルコ、ウガンダ、UAE、イエメンの23カ国・地域となった。2022年10月時点のグレーリストからカンボジアとモロッコが除外され、新たにナイジェリアと南アフリカが加えられた。カンボジアが除外されたことで、フィリピンはアジアで唯一のグレーリスト指定国となった。
グレーリスト指定国より更なる厳しい監視対象である高リスク国・地域(ブラックリスト)には、北朝鮮、イラン、ミャンマーが継続指定されている。ミャンマーは2022年10月からの継続となる。高リスク国・地域は、資金洗浄、テロ資金供与及び拡散金融の対策体制に重大な戦略上の欠陥を有するとされている。高リスクと特定された全ての国に関して、FATFは、強化された顧客管理を適用することを加盟国に要請し、かつ全ての国・地域に強く求める。ただし、北挑戦とイランが「対抗措置の適用が要請される国・地域」とされているのに対し、ミャンマーは「対象となる国・地域から生じるリスクに見合った厳格な顧客管理措置の適用が要請される国・地域」とされている。
なお、フィリピンは2004年まで、資金洗浄防止非協力国家と位置づけられ監視対象リストに据え置かれていた。フィリピンは、このリスト指定解除を実現するため、FATFの意向を汲み、資金洗浄防止法強化などの努力を続けてきた。そして、2005年2月のFATF年次総会でリストから除外されたという経緯がある。したがって、上記のように、2021年6月の強化モニタリング対象国・地域指定は、約16年ぶりの監視国指定ということになる。
近年、フィリピンを舞台にした不正送金問題が発生したり、従来から指摘されていた銀行口座守秘義務が強すぎることによる中央銀行など監視機関による銀行口座調査権限制約等により、監視国再指定懸念が高まってきていた。その様な状況下、フィリピンはFATFの勧告に従って、2021年初に、マネーロンダリング防止規制強化法案(共和国法案第11521号)を成立させるなどの対応策を講じてきたが、結局、監視国再指定となってしまった。FATFは、フィリピンのマネーロンダリング防止に向けての対策強化努力を評価しながらも、更なる対策強化が必要としている。今回、特にDNFBP(指定非金融業者・職業専門家)の実体把握やリスク排除が必要とされている。DNFBPには、カジノ、不動産業者、貴金属商、宝石商、トラストカンパニーなどが含まれる。
フィリピン中央銀行(BSP)のフェリーペ・メダーリャ総裁は、FATFによるフィリピンの資金洗浄監視対象国指定が2024年1月までに解除されることを期待している。2023年1月までの解除を目標としてきたが、その目標は実現出来なかった。今後も、資金洗浄やテロ資金防止のための努力や実績を積み重ね、早期の解除実現を目指す。
なお、FATFは資金洗浄への高まる懸念に応えて、1989年フランスの首都パリで開催されたG-7サミット(先進7カ国首脳会談)において設立された組織であり、OECD加盟国などで構成される。各国の資金洗浄やテロ資金供与に関する問題点を指摘、監視国・地域指定・公表等を行うと共に、改善策推進を要求してきている。
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