山一電機、フィリピンの第3工場建設着工へ

バタンガス州で半導体テストソケットやコネクタ増産

2023/02/28

 山一電機(本社:東京都大田区)は、2月24日、「世界的な半導体需要の拡大による半導体テストソケットの安定した供給体制の構築、及び、車載機器、通信機器、産業機器への多様化する顧客ニーズに対しよりスピーディに対応するため、フィリピンの連結子会社であるプリコン マイクロエレクトロニクス(PMI、所在地:ラグナ州)の新規生産工場(第3工場)をバタンガス州マルバルのライトインダストリー&サイエンスパーク4(LISP IV)内に建設し、生産能力の増強を目指す」と発表した。

 第3工場の建設着工は2023年5月、生産開始は2024年4月と予定している。投資総額約11億円(土地費用は含まず)、全額自己資金で賄う予定。延床面積は7,065平米、第一工場8,951平米、隣接する第2工場6,408平米と併せ2万2,424平米となる。第3工場の特徴は、1.部品製造から製品組立までの一貫生産体制、2.品質向上を目的としたトレーサビリティシステム及び成形設備稼働モニタリングシステムの導入、3.ロボット化による省人化と人との複合生産、省電力化をめざした太陽光発電の導入(予定)などである。

 なお、第3工場建設用地は既に取得済みであり面積は3万3,696平米、取得金額は3億5,000万ペソ、自己資金で調達。第1工場と第2工場の敷地合計面積は1万8,595平米で、新たな土地取得で全体の敷地面積は5万2,291平米となる。

 なお、山一電機は、2月10日、フェルディナンド・マルコス大統領の公式訪日に際して開催されたLOI/MOU調印式に参加、今後もフィリピンで事業を拡大する意思を表明したLOIに調印した。この調印式は、マルコス大統領のほか、フィリピンの主要閣僚や財界要人ならびにフィリピンと関わりのある対象の日本企業が臨席する調印式であった。

<山一電機グループのフィリピンにおける事業など>
 連結子会社であるPMIは、山一電機が1994年に全株式を取得した。また、2007年にTest Solution Services, Inc.(所在地:フィリピン ラグナ州)の全株式を取得し半導体検査サービス事業を開始した。

 PMIは、2013年、最初の工場をライトインダストリー&サイエンスパーク1(LISP 1)に建設し、半導体テストソケット、コネクタの組立生産を開始した。更に2016年に第2工場を建設し、生産を拡張した。そして、上記のように、LISP 4に第3工場棟を建設する予定である。現在のフィリピンの従業員数は約2,600人に達しており、発展・成長を続ける東南アジアの重要な拠点となっている。