三菱UFJ出資のセキュリティバンク、2022年53%増益に

不良債権比率2.95%(前年3.94%)、自己資本比率(CAR)16.6%

2023/03/02

 三菱UFJ銀行が20%出資する有力拡大商業銀行であるセキュリティバンク(証券コード:SECB)は、3月1日、2022年の決算速報を発表した。
 
 それによると、純営業収入は前年比(以下同様)8%増の396億ペソとなった。主力の融資業務などによる純金利収入が7%増の292億ペソ、サービス料・手数料・売買益などの非金利収入は11%増の104億ペソであった。コアビジネスの成長と貸倒引当の46%減少などで帰属純利益は53%増の106億ペソに達した。
 
 営業費用は8%増、費用収益比率(Cost-to-income ratio)は57.8%で前年と同水準であった。株主資本利益率(ROE)は8.42%(前年5.57%)、総資産利益率(ROA)は1.37%(同1.02%)といずれも改善した。総不良債権(NPL)比率も2.95%で前年の3.94%から改善、NPL貸倒引当率は101%で前年の93%から上昇した。

 2022年の受入預金残高は16%増の6,060億ペソ。低コスト預金(普通預金や当座預金)が10%増加し、預金全体の58%を占めた。純融資残高は12%増の5,030億ペソであった。法人向け融資残高は10%増加、一方、個人向け融資残高は16%増加し、融資全体に占める比率は24%(前年23%)となった。

 総資産は20%増の8,420億ペソ、株主資本は1,260億ペソ。バーゼル3基準のリスク加味自己資本比率(CAR)は16.6%、普通株式中核自己資本比率(CET1)は16.1%で、依然として中央銀行の最低基準を大幅に上回っている。

 SECBは1951年5月8日に設立され、設立72周年を迎えつつある。現在の店舗数は316店、ATMは596台。1995年6月8日にフィリピン証券取引所(PSE)に上場された。また、三菱UFJ銀行は、戦略的パートナーシップ合意に基づき、2016年4月1日にSECBへの20%出資(約369億4,300万ペソ)を完了した。