2022年の外資直接投資純流入額、23%減の92億ドルに
12月は76%減の6.3億ドル:中央銀行集計の実際の純投資額
2023/03/12
フィリピン中央銀行(BSP)は3月10日、2022年12月の外資直接投資(FDI)速報を発表した。それによると、12月の外資直接投資(FDI)の純流入額は前年同月比(以下同様)76.2%減の6億3,400万米ドルだった。
FDI純流入額の減少は、収益再投資以外の投資が86.2%減の2億6,800万米ドル、非居住者による現地グループ企業の債券引き受けが54.7%減の2億8,600万米ドルに大きく減少したことを反映している。また、収益の再投資は0.2%増加にとどまった。12月の新規投資の大部分はシンガポール、ドイツ、日本からで、主に製造業(73%)、不動産業(14%)へ投資された。
2022年通年では、FDI純流入額は前年比(以下、同様)23.2%減の92億米ドル。世界経済の減速、インフレ高進、ペソ安などに対する根強い懸念が残る中、外国人投資家は引き続き模様眺めの姿勢を維持している。殆どの項目で前年を下回ったが、特に収益再投資以外の投資が49.5%減の17億0,600万米ドル、非居住者の債券引き受けが15.6%減の63億3,300万米ドルと落ち込んだのが響いた。年間の新規投資の大部分は日本、シンガポール、米国からで、主に、製造業(39%)、不動産業(17%)、金融・保険業(13%)、情報・通信(9%)、建設業(8%)へ投資された。
なお、BSPのFDI統計は、国際収支及び国際投資ポジション第6版(BPM6)に基づいており、実際の投資の流入を対象としている。一方、投資促進機関の投資認可額を情報源としているフィリピン統計庁(PSA)発行の外資投資認可データは「投資の約束」であり、実際の投資額ではない。
外資直接投資(FDI) (単位:百万米ドル、伸び率:%)
(出所:BSP資料より作成、全て速報値)
FDI純流入額の減少は、収益再投資以外の投資が86.2%減の2億6,800万米ドル、非居住者による現地グループ企業の債券引き受けが54.7%減の2億8,600万米ドルに大きく減少したことを反映している。また、収益の再投資は0.2%増加にとどまった。12月の新規投資の大部分はシンガポール、ドイツ、日本からで、主に製造業(73%)、不動産業(14%)へ投資された。
2022年通年では、FDI純流入額は前年比(以下、同様)23.2%減の92億米ドル。世界経済の減速、インフレ高進、ペソ安などに対する根強い懸念が残る中、外国人投資家は引き続き模様眺めの姿勢を維持している。殆どの項目で前年を下回ったが、特に収益再投資以外の投資が49.5%減の17億0,600万米ドル、非居住者の債券引き受けが15.6%減の63億3,300万米ドルと落ち込んだのが響いた。年間の新規投資の大部分は日本、シンガポール、米国からで、主に、製造業(39%)、不動産業(17%)、金融・保険業(13%)、情報・通信(9%)、建設業(8%)へ投資された。
なお、BSPのFDI統計は、国際収支及び国際投資ポジション第6版(BPM6)に基づいており、実際の投資の流入を対象としている。一方、投資促進機関の投資認可額を情報源としているフィリピン統計庁(PSA)発行の外資投資認可データは「投資の約束」であり、実際の投資額ではない。
外資直接投資(FDI) (単位:百万米ドル、伸び率:%)
時期 | 12月 | 1-12月 | ||||
項目 | 2021年 | 2022年 | 伸び率 | 2021年 | 2022年 | 伸び率 |
外資直接投資純流入額 | 2,662 | 634 | -76.2 | 11,983 | 9,200 | -23.2 |
株式・投資ファンド持分 | 2,029 | 348 | -82.8 | 4,476 | 2,867 | -35.9 |
収益再投資以外の投資 | 1,950 | 268 | -86.2 | 3,379 | 1,706 | -49.5 |
新規投資 | 1,985 | 286 | -85.6 | 3,934 | 1,949 | -50.5 |
引き揚げ | 35 | 18 | -48.6 | 555 | 243 | -56.1 |
収益の再投資 | 80 | 80 | 0.2 | 1,097 | 1,162 | 5.9 |
債券引き受け(ネット) | 632 | 286 | -54.7 | 7,507 | 6,333 | -15.6 |