ドール、比産パイナップルの葉を有効活用

アパレルのベースマークと提携、廃棄削減へ

2023/03/19

 株式会社ドール(本社:東京都中央区)は、「もったいないフルーツプロジェクト」の取り組みの一環として、パイナップルの葉で作る繊維『Piñatex(ピニャテックス)』を使用した、ファッションブランド『BASE MARK』とのコラボレーションアパレルを発表した。

 ドールは、高品質なフルーツとフルーツ加工食品を提供、人と地球と豊かさに良い影響を与えることを使命としている。この大きな使命を全うするため、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の実現に向けて、Dole Purpose及びThe Dole Promiseを表明し、今日の世界を未来の世代のためにより良いものに変えるべく取り組んできた。
 
 そのような中、ドールは2021年9月開始の『もったいないバナナ』プロジェクトを皮切りに、まだ美味しく食べられるにもかかわらず、流通過程における様々な要因により捨てざるを得ない規格外フルーツの廃棄削減を目指す『もったいないフルーツ』プロジェクトに取り組んでいる。最近では、不可食部であったパイナップルの芯を加工した商品の展開など取り組みの幅を広げている。
 
 その中でドールは、フィリピンで毎年250万トン以上のパイナップルが生産されるなか、出荷量1トンにつきその3倍である3トンの葉が捨てられ、それらの不要な葉は放置され腐敗していくとメタンガスが発生し地球環境に害を及ぼしていることに着目。そこでAnanas Anam社とパートナーシップを結び、ヴィーガンレザーPiñatexの原料として、パイナップルの葉を活用することとした。今回、このPiñatexを使用しファッションブランド『BASE MARK』とコラボレーションアパレルを発表。

 ベースマーク(BASE MARK)は、日本のウィメンズファッションブランド。デザイナーは金木志穂。
 ブランドコンセプトは“スタンダードをモードに遊ぶ普遍的なアイテムをモードに昇華することでファッションの進化を創造する。”テーラードアイテムのパターンアレンジを得意とし、スタンダードなアイテムにテクニックを駆使して遊びを加え、モードに着用できるアイテムに昇華。ウール素材を軸に、レイヤードや異素材ミックスなどによって本来のウールのイメージを一変。新たなウールの価値を表現する。

 ドールは、Dole Promise実現に向けた更なるチャレンジとして、Dole Specialty Ingredients(DSI)という新事業を立ち上げた。DSIは、科学的イノベーションと農場直結の加工を通じ、フルーツの有機性廃棄物/非可食部からエッセンス(抽出物)、オイル、酵素、繊維などを作り出すと共に、顧客企業のビジネスとサステナビリティへの課題を一緒に取り組んでいくための高品質な原料を届ける事を目指している。また、フルーツ非可食部のアップサイクリング、グリーンテクノロジーによる二酸化炭素の排出削減、産地への還元をテーマに商品開発に注力しており、今回のパイナップル繊維はまさにDSIを象徴する製品のひとつである。