24日に再生エネ発電のアルタナジー新規上場、今年第1号案件

初日終値はIPOと同値1.28ペソに、高値1.30ペソ、安値1.21ペソ

2023/03/25

   再生可能エネルギー発電企業であるAlternergy Holdings(アルタナジー:証券コードALTER)が、3月24日、フィリピン証券取引所(PSE)に新規上場した。2023年のIPO(新規公募)・新規上場の第1号案件となった。
 
 アルタナジーは、3月13日から17日のIPOにおいて、12億6,500万株を売り出した。1株(額面0.10ペソ)当たりIPO価格は1.28ペソであり、IPO規模は16億1,920万ペソ。上場初日の始値は1.22ペソ、高値は1.30ペソ、安値は1.21ペソ、終値はIPO価格と同じ1.28ペソであった。この日の平均取引株価は1.26ペソ、出来高は約1億5,898万株、売買額は約2億0,049万ペソであった。市場環境が悪化していることもあって活況感に欠けるデビューとなった。
 
 2009年6月設立のアルタナジーは、風力、洋上風力、太陽光、水力など各種再生可能エネルギー発電事業や蓄電システム(BESS)事業などを手掛けたり、手掛けつつある。今後5年間で、最大1,245メガワット(MW)の発電プロジェクトを予定している。IPOでの調達資金は、各種発電プロジェクト資金等に充当される。

 近年、PSEにおけるIPOや新規上場社数は周辺国に比べ低水準で推移してきた。PSEにおける新規上場社数は、裏口上場(バックドア・リスティング)を除くと、2014年7社、2015年から2017年までは各々4社、2018年は1社のみ、2019年と2020年も4社のみであった。2021年は8社、そして、2022年は10社へと増加したが依然低水準。なお、裏口上場は既存上場企業の衣替えであり上場企業数が増えるわけではない。

 PSEは、未上場企業に対し株式新規公開(IPO)・PSE新規上場を促しており、2023年には20社を目標としている。20社が新規上場すれば、1994年の21社以来、29年ぶりのこととなる。ただし、上記のように、3月時点で僅か1社にとどまっており、20社というのはやや難しそうな目標である。