比トヨタ自動車、22年の売上高40%増の1,838億ペソ
コスト増で帰属純利益6%減の57億ペソ、市場シェア50%
2023/03/27
大手商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク、証券コード:MBT)グループの持株会社GTキャピタル ホールディングス(証券コード:GTCAP)はトヨタ車事業に注力してきた。GTCAPは、トヨタ自動車の製造・販売拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP)の株式保有比率を51%に高めたほか、有力販社であるトヨタ マニラベイ(TMBC)の58.05%を保有している。さらに、2014年9月には、トヨタ ファイナンシャルサービス フィリピン(TFSPC)株式40%を取得した。
これらのトヨタ関連各社は各々存在感を強めている。その中でも、TMPの強さが際立っている。新車販売シェアは断トツ、個別モデル販売ランキングにおいても、常に上位を独占している。
3月24日発表のGTCAPの2022年情報開示書によると、TMPの2022年の卸売ベースの販売台数は前年比(以下同様)36.6%増の17万4,197台、小売ベースの販売台数も34.3%増の17万4,106台と堅調で、業界の成長率を上回った。業界全体の小売販売台数は24.2%増の34万8,200台、TMPの市場シェアは50.0%に達し、前年の46.3%から拡大、首位の座をさらに強固なものとした。
COVID-19(コロナ感染症)関連の規制緩和とRaize、Veloz、Rav4 HEV、第3世代Avanza、Rush GR、Lite Aceなど新型モデルの投入で、TMPの売上高は40.0%増の1,838億ペソと二桁増になったが、材料価格の高騰や輸入コストの増加、ドル高ペソ安等が利益圧迫要因となった。粗利益率は前年を2.0%ポイント下回る9.1%となった。帰属純利益は6.1%減の56億6,000万ペソにとどまったが依然高水準といえよう。
2022年12月31日時点で、TMPはトヨタ・マカティ+1支店(トヨタ・ビクータン)、トヨタ・サンフェルナンド(パンパンガ州)+2支店(トヨタ・プラリデル・ブラカン、トヨタ・タルラック)、レクサス・マニラ(BGC)など6つの直営販売店を所有している。
なお、TMPは、1988年8月3日にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立された。出資比率はトヨタ自動車34%、三井物産15%、GTキャピタル(GTCAP)51%となっている。現在、「ヴィオス」や「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部品販売、部品輸出などを手掛けている。また、販社「レクサス・マニラ」を通じて、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年1月に開業した「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPCの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。
トヨタモーター フィリピン年間の業績等の推移(単位:百万ペソ、22年は速報値)
(出所:GTキャピタル資料より作成)
フィリピン新車販売における上位10車種の推移
(出所:CAMP等の資料から作成)
これらのトヨタ関連各社は各々存在感を強めている。その中でも、TMPの強さが際立っている。新車販売シェアは断トツ、個別モデル販売ランキングにおいても、常に上位を独占している。
3月24日発表のGTCAPの2022年情報開示書によると、TMPの2022年の卸売ベースの販売台数は前年比(以下同様)36.6%増の17万4,197台、小売ベースの販売台数も34.3%増の17万4,106台と堅調で、業界の成長率を上回った。業界全体の小売販売台数は24.2%増の34万8,200台、TMPの市場シェアは50.0%に達し、前年の46.3%から拡大、首位の座をさらに強固なものとした。
COVID-19(コロナ感染症)関連の規制緩和とRaize、Veloz、Rav4 HEV、第3世代Avanza、Rush GR、Lite Aceなど新型モデルの投入で、TMPの売上高は40.0%増の1,838億ペソと二桁増になったが、材料価格の高騰や輸入コストの増加、ドル高ペソ安等が利益圧迫要因となった。粗利益率は前年を2.0%ポイント下回る9.1%となった。帰属純利益は6.1%減の56億6,000万ペソにとどまったが依然高水準といえよう。
2022年12月31日時点で、TMPはトヨタ・マカティ+1支店(トヨタ・ビクータン)、トヨタ・サンフェルナンド(パンパンガ州)+2支店(トヨタ・プラリデル・ブラカン、トヨタ・タルラック)、レクサス・マニラ(BGC)など6つの直営販売店を所有している。
なお、TMPは、1988年8月3日にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立された。出資比率はトヨタ自動車34%、三井物産15%、GTキャピタル(GTCAP)51%となっている。現在、「ヴィオス」や「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部品販売、部品輸出などを手掛けている。また、販社「レクサス・マニラ」を通じて、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年1月に開業した「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPCの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。
トヨタモーター フィリピン年間の業績等の推移(単位:百万ペソ、22年は速報値)
年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 伸び率 |
売上高 | 185,337 | 158,941 | 168,616 | 99,847 | 131,275 | 183,810 | 40.0% |
粗利益 | 23,059 | 16,620 | 21,143 | 13,022 | 14,545 | 16,805 | 15.5% |
営業利益 | 16,798 | 10,255 | 12,786 | 4,545 | 6,641 | 7,418 | 11.7% |
帰属純利益 | 13,186 | 7,882 | 9,082 | 3,306 | 6,024 | 5,657 | -6.1% |
総資産 | 42,158 | 36,428 | 38,751 | 45,059 | 44,937 | 45,343 | 0.9% |
株主資本 | 19,148 | 15,238 | 15,608 | 9,500 | 12,853 | 12,702 | -1.2% |
フィリピン新車販売における上位10車種の推移
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | ||||
車名 | 販売数 | 車名 | 販売数 | 車名 | 販売数 | 車名 | 販売数 |
トヨタヴィオス | 33,181 | トヨタヴィオス | 25,290 | トヨタヴィオス | 35,095 | トヨタヴィオス | 34,465 |
トヨタハイラックス | 20,846 | トヨタハイラックス | 13,637 | トヨタハイラックス | 18,969 | トヨタハイラックス | 24,537 |
トヨタイノーバ | 20,794 | トヨタウイゴー | 11,853 | トヨタウイゴー | 17,491 | トヨタイノーバ | 17,810 |
トヨタフォーチュナー | 19.865 | トヨタイノーバ | 10,551 | トヨタイノーバ | 13,304 | トヨタフォーチュナー | 16,925 |
三菱エクスパンダー | 19,089 | トヨタハイエース | 10,362 | トヨタフォーチュナー | 12,982 | トヨタラッシュ | 14,871 |
日産ナバラ | 19,034 | トヨタラッシュ | 10,194 | トヨタラッシュ | 12,564 | トヨタウイゴー | 14,306 |
トヨタハイエース | 18,656 | フォードレンジャー | 9,767 | 三菱エクスパンダー | 11,342 | トヨタライズ | 13,279 |
トヨタウイゴー | 18,183 | 日産ナバラ | 9,164 | トヨタハイエース | 10,273 | 三菱エクスパンダー | 13,090 |
三菱ミラージュG4 | 17,835 | 三菱ミラージュG4 | 8,638 | 三菱L300 | 10,147 | トヨタハイエース | 12,314 |
トヨタラッシュ | 15,172 | トヨタフォーチュナー | 8,494 | 日産ナバラ | 9,882 | 日産ナバラ | 11,281 |