中央銀行、5月18日の金融政策会合で追加利上げの可能性

3月のコアインフレ率8.0%への加速で利上げ継続観測拡大

2023/04/09

   フィリピン中央銀行は(BSP)は、現在、年8回の金融委員会(MB)定期政策会合を開催している2023年のMB定期政策会合は、2月16日、3月23日、5月18日、6月22日、8月17日、9月21日、11月16日、12月14日開催と予定されている。1月、4月、7月、10月は開催されない。基本的には、政策金利など重要金融政策は、MB定期政策会合において決定される。急を要する場合は、臨時政策会合において金融政策変更が決定されることもあるが稀である。

 5月18日に開催される今年3回目のMB定期政策会合においては、追加利上げが決定されるとの観測が強まっている。4月5日に発表された2023年3月の総合インフレ率は7.6%で前月の8.6%から減速、5カ月ぶりの8%台割れとなり、2022年9月の6.9%以来半年ぶりの低水準となった。総合インフレ率に関しては、2023年1月の8.7%でひとまずピークアウトとの見方が多くなっている。しかし、3月のコアインフレ率は8.0%で前月の7.8%から一段と加速した。BSPは、このコアインフレ率加速を懸念、根強いインフレ圧力抑制のため、5月18日に0.25%程度の追加利上げを決定する可能性がある。

 3月23日に開催された2023年2回目のMB政策定例会合では、政策金利体系の0.25%の追加引き上げが決定された。すなわち、主要政策金利である翌日物借入金利(RRP)6.25%を中心とする5.75%~6.75%という金利コリドーに移行されることになった。この追加利上げは、3月24日から実施された。2月16日開催の今年最初のMB政策定例会合で決定された追加利上げ幅0.50%よりは小幅となったが、2022年5月以降の累計利上げ幅は4.25%に達した。そして、RRPは20007年5月以来、約16年ぶりの高水準となった。5月に0.25%の追加利上げが実施されれば、RRPは6.50%となり、2022年5月以降の累計利上げ幅は4.50%に達する。