3月の不完全就業率11.2%、18年ぶりの低水準に

失業率4.7%に低下(前月4.8%)、第1四半期平均4.8%

2023/05/09

 フィリピン統計庁(PSA)は5月8日、2023年3月の労働力調査(LFS)速報を発表した。それによると、2023年3月の15歳以上の失業率は4.7%で、前月から0.1%ポイント、前年同月からは1.1%ポイント改善した。

 フィリピンの労働力調査結果の比較
全国 労働参加率(%) 就業率(%) 不完全就業率(%) 失業率(%)
2019年 61.3 94.9 13.8 5.1
2020年 59.5 89.7 16.2 10.3
2021年 63.3 92.2 15.9 7.8
2022年 64.7 94.6 14.2 5.4
1月 60.5 93.6 14.9 6.4
2月 63.8 93.6 14.0 6.4
3月 65.4 94.2 15.8 5.8
4月 63.4 94.3 14.0 5.7
5月 64.0 94.0 14.5 6.0
6月 64.8 94.0 12.6 6.0
7月 65.2 94.8 13.8 5.2
8月 66.1 94.7 14.7 5.3
9月 65.2 95.0 15.4 5.0
10月 64.2 95.5 14.2 4.5
11月 67.5 95.8 14.4 4.2
12月 66.4 95.7 12.6 4.3
2023年 65.5 95.2 12.7 4.8
1月 64.5 95.2 14.1 4.8
2月 66.6 95.2 12.9 4.8
3月 66.0 95.3 11.2 4.7
(出所:PSA資料より作成、22年4月以降全て速報値)

 2023年3月の15歳以上の人口7,726万人のうち、労働力人口は前年同月比(以下同様)2.3%増の5,100人で、労働参加率は66.0%となり、前年同月から0.6%ポイント上昇した。

 就業者数は3.4%増の4,858万人、就業率(雇用率)は95.3%と前年同月を1.1%ポイント上回った。就業者を業種別に分類すると、農業部門が23.5%(前年同月25.2%)、鉱工業部門が17.5%(同17.4%)、サービス部門が59.0%(同57.4%)であった。就業形態は、賃金労働者が全体の61.6%を占め、その47.5%が民間企業労働者、9.2%が政府系企業社員・公務員だった。自営・事業主は全体の29.5%、無給家内労働者は8.9%。また、週平均労働時間は40.0時間で、前年同月の40.6時間を約0.6時間下回った。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の64.4%(前年同月65.5%)。

 不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は26.7%減の544万人で、不完全就業率は11.2%(前年同月15.8%)、2005年4月以来18年ぶりの低水準となった。なお、不完全就労者全体の67.1%が労働時間週40時間以下だった。
 
 失業者数は16.0%減の242万人。年齢層でみると、15歳-24歳が全体の30.0%、25歳-34歳が37.4%と合計で全体の67.4%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は37.0(卒業者は26.7%)、大学進学・卒業者では40.9%(卒業者は33.3%)だった。性別では、男性52.3%、女性47.7%と男性が上回っている。