ジョリビーフーズ、吉野家や台湾ミルクシャ事業などに注力へ

3月末の総店舗数6,542店、ハンバーガーのジョリビー1,590店

2023/05/14

 ファーストフード・チェーン最大手のジョリビー フーズ(証券コード:JFC)は、このほど、ベトナムのフォー(米粉麺)チェーン「フォー24」から撤退すると発表した。

 JFCが2011年に「フォー24」に出資した際には、フィリピンで100店の展開目指すと表明したが、現時点では1店のみとなっている。JFCは、今後吉野家の牛丼、香港点心専門店「ティムホーワン(添好運)」、台湾のタピオカミルクティー「ミルクシャ」という新規事業の構築と成長に資源を集中して行くと表明した。

 まず、JFCと吉野家ホールディングス(YH)の子会社ヨシノヤ インターナショナル フィリピンズ(YIPI)との折半合弁企業『Yoshinoya Jollibee Foods, Inc(吉野家ジョリビーフーズ)(本社:マニラ首都圏パシグ市、当初資本金1億3千万ペソ)』による吉野家牛丼チェーン事業が本格化しつつある。吉野家ジョリビーフーズは2021年6月に設立された。これにより、吉野家とJFCによるフィリピンでの牛丼チェーン事業がスタートすることになった。吉野家ジョリビーフーズは、YIPIとの間で、2021年11月1日発効のフランチャイズ契約を締結した。そして、2021年11月1日に、YIPIから既存の『YOSHINOYA』フィリピン店舗を取得、その既存店舗の運営・管理を開始した。

 取得した既存店のなかの主力店であるグロリエッタ店(マカティ市グロリエッタモール1の2階に立地)の全面改装が2022年8月に完了、リニューアルオープンした。グロリエッタ店はもともと2012年にオープンした既存の老舗店であるが、現代的でカジュアルな日本のスタイルに適応するように再設計され、リニューアルオープンした。2023年3月末のフィリピンにおける『YOSHINOYA』店舗数は7店となっている。上記のグロリエッタ店のほか、SMグランドセントラル店、SMノース エドサ店、イーストウッド店、SM メガモール店、ロビンソンズプレイス マニラ店、ダブルドラゴン プラザ店が展開されている。当面50店の展開を目指す。

 また、JFCの100%子会社であるゴールデン・プレート(GPPL)は、2020年に、Dim Sum Pte Ltd.(DSPL)との間で、中華人民共和国において合弁企業を設立するための合弁契約を締結した。この合弁企業は、上海など中国本土の都市において、香港点心専門店「ティムホーワン(添好運)」をチェーン展開する。2023年3月末の中国本土でのティムホーワンは18店(上海16店、北京2店)であるが、資金面も含む事業基盤を強化、数年内に100店体制構築を目指す。

 JFCは、2022年2月、完全子会社ジョリビー ワールドワイド(JWPL、本社:シンガポール)を通じて、台湾のミルクショップ インターナショナル(ミルクショップ)を買収(株式51%取得)した。ミルクショップ インターナショナルは、台湾で人気の高いタピオカミルクティーを「ミルクシャ」というブランドのドリンクスタンドで販売している。2023年3月末で現在、台湾のほか、シンガポール、香港、豪州、カナダ、英国などで290店を展開している。

 なお、JFCは18ブランドを有し、34カ国で事業を展開している。2023年3月末のJFCグループの国内外総店舗数は6,542店(国内3,281店、海外3,261店)店舗数が多いブランドは、ハンバーガーのジョリビー1,590店、コーヒービーン&ティーリーフ(CBTL)1,091店、ハイランズ・コーヒー626店、中華のチャウキン611店、鶏肉・バーベキューのマン・イナサル571店など。