主要外食企業、第1四半期は総じて大幅増収増益に

最大手ジョリビーフーズ実質4倍増益、比マクドナルド63%増益

2023/05/30

 主要外食企業の2023年第1四半期(1月~3月)決算発表が出揃った。

 今第1四半期は新型コロナウイルス感染減少にともなう外出・移動規制の大幅緩和や経済再開本格化、宅配やテイクアウト事業の強化、デジタル化推進などで総じて二桁増収となった。コスト増の影響あったが、二桁増収効果や前年同期の利益水準が低かったこともあって、総じて大幅増益決算となった。

  ファーストフード・チェーン最大手のジョリビー フーズ(証券コード:JFC)の営業収入は28.5%増の551億ペソ、営業利益は80.9%増の36億ペソに達した。報告純利益は3.2%減の22億ペソ、報告帰属純利益は10.6%減の21億ペソであったが、前年同期に土地譲渡・不動産売却益(18億ペソ)が計上されたことによる。このような一時的損益を除いた帰属純利益は332%増(4.3倍)、すなわち実質4.3倍増益であった。

 有力持株会社アライアンス グローバル グループ(AGI)関連会社のゴールデンアーチス デベロップメントによって展開されているマクドナルド フィリピン(比マクドナルド)の純利益は63%増の4億2,000万ペソ。Max'sレストラン、パンケーキ・ハウス、イエローキャブ・ピザ、クリスピー・クリーム・ドーナツなどを展開するMax'sグループ(MAXS)は86%増益。ピザやペリペリ炭火焼チキンチェーンを展開するシェーキ―ズ ピザ アジアベンチャーズ(PIZZA)は163%増益、ジュースバー(スタンド)・飲食店を運営するフルータスは200%増益だった。

 なお、JFCは18ブランドを有し、34カ国で事業を展開するなどフィリピンのみならず、アジア最大級の外食チェーンとなっている。2023年3月31日現在のJFCグループの国内外総店舗数は6,542店(国内3,281店、海外3,261店)。レストラン店舗数が多いブランドは、ハンバーガーのジョリビー1,590店、コーヒービーン&ティーリーフ(CBTL)1,091店、ハイランズ・コーヒー626店、中華のチャウキン611店、鶏肉・バーベキューのマン・イナサル571店などである。


 2023年第1四半期の主な外食産業の業績比較(単位:百万ペソ)
企業名 店舗数(国内) 収入 増減率 純利益 増減率 前年純利益
ジョリビーフーズ 6,542店(3,281店) 55,423 24% 2,191 -3% 2,264
マクドナルド フィリピン 国内703店 10,042 40% 416 63% 255
Max'sグループ 675店(610店) 2,854 32% 77 86% 42
シェーキ―ズ ピザ アジア 1,857店 3,144 95% 201 163% 76
フルータス 国内約800店 515 56% 19 200% 6
(出所:2022年第1四半期事業報告書より作成)

 2022年の主な外食産業の業績比較(単位:百万ペソ)

企業名 店舗数(国内) 収入 増減率 純利益 増減率 前年純利益
ジョリビーフーズ 6,480店(3,285店) 217,576 38% 7,338 33% 5,502
マクドナルド フィリピン 国内704店 34,974 38% 1,812 115% 842
Max'sグループ 667店(601店) 10,983 44% 622 38% 451
シェーキ―ズ ピザ アジア 1,772店 10,142 85% 874 611% 123
フルータス 国内780店 1,799 63% 82 黒字転換 -16
(出所:2022年事業報告書より作成)