第1四半期のスマホ出荷急減、3年間で最低に

前期比16.7%減の350万台、前年同期比11%減少

2023/05/31

 IT専門調査企業であるインターナショナル データ社(IDC)は5月30日、2023年第1四半期(1月~3月)のフィリピンのスマートフォン(スマホ)市場に関するレポートを発表した。IDCによると、当期のフィリピンにおけるスマホ出荷台数は前期比16.7%減、前年同期比11.0%減の350万台にとどまり、四半期ベースで、ここ3年間の最低記録となった。コアインフレ率が2023年3月まで上昇し続け、市場環境は厳しい状況が続いた。

 IDCのデータによると、最後に出荷台数が350万台を切ったのは新型コロナ禍が始まった2020年第1四半期に遡る。

 ブランド別シェアは、トップが中国の伝音科技(Transsion、トランシオン)で、全体の19.5%を占めた。トランシオンのサブブランドTecnoが前年同期比33.7%増、前期比では107.8%増と大幅に伸び、全出荷台数の50%以上を占めた。Tecnoは様々な価格帯で新しいモデルを提供する積極的な販売キャンペーンとファントム(Phantom)シリーズを導入し、500米ドル以上のブランドへの参入を開始したことによる。

 2位は中国OPPO(オッポ)のサブブランドと位置づけられるrealme(リアルミー)18.7%、3位はOPPO15.5%、4位は中国のvivo(ヴィーヴォ)13.1%、5位は中国のXiaomi(シャオミ)11.9%と続いた。中国製品が上位5ブランド全てを占めた。

 IDCフィリピンは、「市場がようやく底を打ち、インフレの鈍化で、快方に向かっているようだが、インフレが依然として高い水準であることから、売り手は慎重な姿勢を維持。これにより2023年の出荷量は横ばいにとどまる」と予想している。