マニラ湾沖での日米比による初の海上合同訓練が終了

海上保安庁は大型巡視艇、比は日本供与の巡視艇等派遣

2023/06/08

 6月7日海上保安庁は、「6月3日から7日の間、米国沿岸警備隊(USCG)及びフィリピン沿岸警備隊(PCG)と、初めての三機関合同訓練等を行うとともに、米国沿岸警備隊と連携してPCG職員への能力向上支援を実施した」と発表した。発表された合同訓練等の詳細は以下のとおり。

<日米比海上保安機関の連携強化等の内容>
(1)三機関合同訓練等
 東南アジア周辺海域における海賊対策のために派遣された巡視船あきつしまは、マニラ湾沖において次のとおり、USCG巡視船「STRATTON」並びにPCG巡視船「MRRV-9702」及び「OPV-8301」との三機関による初の合同訓練を実施し、必要な技術・知見を共有するなど連携強化を図った。
3日(土)机上訓練 ※PCG本庁にて実施
5日(月)船隊運動訓練等
6日(火)捜索救助訓練等
7日(水)訓練検討会等
 この訓練は、日米海上保安機関による共同取組「SAPPHIRE(サファイア)」の一環でもある。同取組に第三国の海上保安機関が参加するのは、初の試みとなった。今後も海上保安庁は、これらの取組を通じて、日本が推進する、法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向け、各国海上保安機関との連携・協力を推進していく。
 
 海上保安庁は、6月3日から7日の間、米国沿岸警備隊(USCG)及びフィリピン沿岸警備隊(PCG)と、初めての三機関合同訓練等を行うとともに、米国沿岸警備隊と連携してフィリピン沿岸警備隊職員への能力向上支援を実施した。

 (2)能力向上支援
 海上保安庁の能力向上支援の専従部門であるMCT(Mobile Cooperation Team)3名を派遣した。
・6月4日マニラ港停泊中の巡視船あきつしま、日本が供与したPCG巡視船「MRRV-9702」において、巡視船の業務遂行に必要な搭載艇運航に係る安全管理を含めたブリーフィング・デブリーフィング、搭載艇揚降及び操船の研修・訓練を実施。
・6月4日、MCTによる搭載艇運航にかかる能力向上支援と並行し、USCG職員はPCG職員に対してダメージコントロール(被害制御)の研修を実施。
・6月5日及び6日、マニラ沖の海域において互いの船に職員が同乗するシップライダープログラムを実施。シップライダープログラムを通じ、巡視船運用技術を互いに共有。

 日米比3カ国での相互交流により、知識・技能を共有するとともに、職員同士の顔の見える関係を築き、三機関の連携強化に貢献した。なお、これらのプログラムも、日米海上保安機関による共同取組「SAPPHIRE(サファイア)」の一環であり、海上保安庁とUSCGの双方による、PCGに対する海上保安業務遂行能力の向上支援を連携して実施した。

<海上保安庁の派遣巡視船>
巡視船あきつしま(総トン数6,500トン、ヘリコプター2機搭載型)
第三管区海上保安本部 横浜海上保安部所属