企業景況感指数40.8%、5年半ぶりの高水準に
コロナ禍後の経済本格再開で強気:23年第2四半期
2023/06/25
フィリピン中央銀行(BSP)の企業景気予測調査によると、2023年第2四半期(4月~6月)のマクロ経済に関する企業の総合景況感指数(CI)はプラス40.8%で、前期のプラス34.0%から上昇。2017年第4四半期の43.3%以来、22四半期ぶり(約5年半)ぶりの高水準となった。地域別では、首都圏がプラス41.9%(前期プラス36.0%)、地方はプラス38.5%(同プラス29.9%)と共に前期を上回った。
企業の総合景況感指数(%) 2020年1Q- 2023年2Q
(出所:BSP資料より作成、注:2020年2Qは新型コロナ禍による防疫措置で調査不可)
回答企業は、前回調査時より企業マインドが強気となった主な理由として、1)全セクターにわたり物品とサービスに対する需要の高まりによる販売・生産の増加、2)コロナ禍後の継続的な経済回復、3)経済の全面再開、4)インフレ圧力の緩和、5)季節的要因による一部の物品とサービスの需要の高まりなどを挙げている。当期のビジネス見通しは、中小大企業と規模に関係なく概ね明るいものであった。当期の工業及び建設部門の平均稼働率は71.0%で前期の71.5%から僅かに低下した。
現時点での次期(2023年第3四半期)に対する企業マインドは、当期の楽観的な見通しから一転して、プラス46.4%と前期調査時のプラス49.0%から低下。また、今後12カ月(2024年第2四半期)に関しても、プラス58.5%と、前期調査時のプラス61.9%を下回った。インフレ率上昇や需要鈍化で予想される販売減少、政府インフラ事業の遅い展開、金利上昇、エルニーニョ現象の悪影響等を懸念した。
当期のセクター別CIは、産業(鉱工業・農林水産業)部門:+33.2%(前期+25.6%)、建設部門:+25.6%(同+34.7%)、卸・小売部門:+41.1%(同+35.6%)、サービス部門:+46.7%(同+37.6%)。建設部門のみ前期から低下した。サービス部門の中では、金融仲介業:+51.2%(同+40.4%)、ホテル・レストラン業:+46.5%(同+45.5%)、事業活動:+50.6%(同+34.5%)、不動産業:+40.5%(同+46.0%)、コミュニティ・社会事業:+64.2%(同+66.2%)、輸送業:+34.2%(同+0.5%)。
セクター別の総合景況感指数(%) 2020年1Q- 2023年2Q
(出所:BSP資料より作成、注:2020年2Qは新型コロナ禍による防疫措置で調査不可)
回答企業の内訳は、内需向け業者(シェア67.7%)、輸出入業者(同11.7%)、輸入業者(同10.4%)、輸出業者(同5.2%)。内需向け業者のCIは+47.7%(前期+37.5%)、輸出入業者+38.9%(同+26.4%)、輸出業者+25.0%(同+19.6%)とそれぞれ前期から強気になったが、輸入業者のマインドは前期のプラス37.1%からプラス35.4%にダウンした。
景況感指数(CI)は景気動向に関して良いという回答から悪いという回答を差し引いたもので、ゼロが中立となる。今回の聞き取り調査期間は2023年4月5日~5月24日、調査対象はビジネス情報の大手出版社Bureau van Dijk(BvD)の2016-2017年の総資産に基づいた上位7,000社から選出された全国の1,549社(首都圏580社、地方969社)で、回答率はフィリピン全体で59.4%と前回調査時の60.6%を僅かに下回った。首都圏の回答率は57.8%、地方が60.4%。規模別では大企業(従業員500人以上)が13.5%、中企業(従業員100~499人)が32.8%、小企業(従業員100人以下)が44.8%。
企業の総合景況感指数(%) 2020年1Q- 2023年2Q
年/四半期 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |||||||||
1Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | |
当該四半期 | 22.3 | -5.3 | 10.6 | 17.4 | 1.4 | -5.6 | 39.7 | 32.9 | 35.4 | 26.1 | 23.9 | 34.0 | 40.8 |
次の四半期 | 42.3 | 16.8 | 37.4 | 42.8 | 31.4 | 31.9 | 52.8 | 59.7 | 46.4 | 43.9 | 31.3 | 49.0 | 46.4 |
次の12カ月 | 55.8 | 37.5 | 57.7 | 60.5 | 52.5 | 56.0 | 67.6 | 69.8 | 59.9 | 57.7 | 46.2 | 61.9 | 58.5 |
回答企業は、前回調査時より企業マインドが強気となった主な理由として、1)全セクターにわたり物品とサービスに対する需要の高まりによる販売・生産の増加、2)コロナ禍後の継続的な経済回復、3)経済の全面再開、4)インフレ圧力の緩和、5)季節的要因による一部の物品とサービスの需要の高まりなどを挙げている。当期のビジネス見通しは、中小大企業と規模に関係なく概ね明るいものであった。当期の工業及び建設部門の平均稼働率は71.0%で前期の71.5%から僅かに低下した。
現時点での次期(2023年第3四半期)に対する企業マインドは、当期の楽観的な見通しから一転して、プラス46.4%と前期調査時のプラス49.0%から低下。また、今後12カ月(2024年第2四半期)に関しても、プラス58.5%と、前期調査時のプラス61.9%を下回った。インフレ率上昇や需要鈍化で予想される販売減少、政府インフラ事業の遅い展開、金利上昇、エルニーニョ現象の悪影響等を懸念した。
当期のセクター別CIは、産業(鉱工業・農林水産業)部門:+33.2%(前期+25.6%)、建設部門:+25.6%(同+34.7%)、卸・小売部門:+41.1%(同+35.6%)、サービス部門:+46.7%(同+37.6%)。建設部門のみ前期から低下した。サービス部門の中では、金融仲介業:+51.2%(同+40.4%)、ホテル・レストラン業:+46.5%(同+45.5%)、事業活動:+50.6%(同+34.5%)、不動産業:+40.5%(同+46.0%)、コミュニティ・社会事業:+64.2%(同+66.2%)、輸送業:+34.2%(同+0.5%)。
セクター別の総合景況感指数(%) 2020年1Q- 2023年2Q
年/四半期 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |||||||||
1Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | |
産業部門 | 14.8 | 2.9 | 13.3 | 16.8 | 10.3 | 1.2 | 35.4 | 31.2 | 29.9 | 18.0 | 19.9 | 25.6 | 33.2 |
建設部門 | 33.8 | 4.5 | 19.7 | 9.9 | 22.0 | -7.2 | 47.5 | 34.7 | 22.6 | 16.2 | 18.9 | 34.7 | 25.6 |
卸・小売部門 | 22.3 | -8.7 | 5.2 | 18.7 | -9.5 | -16.9 | 29.2 | 21.4 | 36.1 | 28.1 | 30.6 | 35.6 | 41.1 |
サービス部門 | 24.5 | -9.6 | 10.6 | 17.8 | 0.6 | -2.4 | 47.4 | 40.5 | 39.5 | 30.5 | 22.6 | 37.6 | 46.7 |
回答企業の内訳は、内需向け業者(シェア67.7%)、輸出入業者(同11.7%)、輸入業者(同10.4%)、輸出業者(同5.2%)。内需向け業者のCIは+47.7%(前期+37.5%)、輸出入業者+38.9%(同+26.4%)、輸出業者+25.0%(同+19.6%)とそれぞれ前期から強気になったが、輸入業者のマインドは前期のプラス37.1%からプラス35.4%にダウンした。
景況感指数(CI)は景気動向に関して良いという回答から悪いという回答を差し引いたもので、ゼロが中立となる。今回の聞き取り調査期間は2023年4月5日~5月24日、調査対象はビジネス情報の大手出版社Bureau van Dijk(BvD)の2016-2017年の総資産に基づいた上位7,000社から選出された全国の1,549社(首都圏580社、地方969社)で、回答率はフィリピン全体で59.4%と前回調査時の60.6%を僅かに下回った。首都圏の回答率は57.8%、地方が60.4%。規模別では大企業(従業員500人以上)が13.5%、中企業(従業員100~499人)が32.8%、小企業(従業員100人以下)が44.8%。