住友大阪セメント、比ホルシム株式9.2%売却

比ホルシム、PSEから自主的上場廃止の可能性

2023/06/30

 大手セメント企業のホルシム フィリピン(比ホルシム、証券コード:HLCM)は、6月29日、「主要株主であるホルダーフィンが、住友大阪セメントから、比ホルシム株を約5億9,495万株(9.22%相当)を取得した」と発表した。この株式売買は、6月29日、フィリピン証券取引所(PSE)の大口ブロックセールにて実行された。

 この追加取得により、ホルダーフィンの比ホルシム株式保有比率は18.11%から27.33%へと上昇した。また、比ホルシムの浮動株式比率は14.27%から5.05%に低下、PSEの浮動株式基準(最低10%以上)に抵触することになった。比ホルシムは浮動株式基準遵守のための方策を講じない限り、PSEメインボードからの自主的上場廃止という道を選択せざるを得なくなる。その場合、ホルダーフィンは、比ホルシムの少数株主向けに、比ホルシム株式公開買い付けを実施することになる。

 なお、フィリピンでは、大手セメント企業であるイーグルセメントが2023年2月28日付けでPSEメインボードから自主的上場廃止となった。これは、フィリピンを代表するコングロマリットとなったサンミゲル(証券コード:SMC)傘下の投資企業であるサンミゲル エクイティ インベストメンツ(SMCEI)によるイーグルセメントの買収が2022年12月14日に完了したことに伴うものである。

 PSE上場のセメント企業は、2022年末で、比ホルシム、イーグルセメント、セメックス ホールディングス フィリピン(証券コード:CHP)の3社であった。CHPの浮動株式比率も10.07%に低下しており、上場セメント企業がゼロとなる可能性もある。