比ヤクルトの販売堅調、上半期373万本/日で海外第4位

今年創業45周年、3年連続での過去最高記録更新期待

2023/07/31

 ヤクルト本社の2024年3月期第1四半期決算資料などによると、2023年上半期(1月~6月)のフィリピン ヤクルト(比ヤクルト)の1日当り販売数量(速報値、以下同様)は前年同期比1.0%増の373万1,000本だった。
 
 海外市場ではインドネシアの652万5,000本、中国本土の512万4,000本、メキシコの394万本に次ぐ世界第4位。比ヤクルトの今上半期の伸び率はやや鈍化したが、1日当たり100万本以上の主要市場の中では、メキシコの5.1.%増に続く良好な伸びとなっている。ちなみに、海外合計では5.6%減の2,951万1,000本、そのうち、アジア・オセアニア合計は7.5%減の2,291万本。アジア・オセアニアでのフィリピンのシェアは16.3%で、前年同期の14.9%から拡大した。

 フィリピン ヤクルトは、1978年10月から、ルソン島南部のラグナ州カランバ市にあるカランバ工場(第1工場)にて「ヤクルト」の生産を開始し、現在は「ヤクルト」、「ヤクルトライト」の生産を行っている。すなわち、今年創業45周年を迎える。日本と同基準の厳しい品質管理の下に製造された「ヤクルト」類を1パック5本入り50ペソ(1本10ペソ、約26円)~という低価格で販売してきている。「ヤクルト」は、医薬品を購入する余力のない低所得層にとって安価な栄養食品であり、庶民の強い味方として知名度も高い。健康飲料として支持を得ている「ヤクルト」の人気が一段と高まっている。

 フィリピン ヤクルトの1日平均販売数量は、2011年から2019年まで9年連続で販売本数が増加、そのうち2014年から2018年までは5年連続の二桁増加という成長を見せた。2007年に1日当たり販売本数は100万3千本と100万本の大台突破、2015年に同213万9千本で200万本突破、2018年は同300万本台突破と順調に拡大してきている。2020年は世界的な新型コロナパンデミックで10年連続の増加はならなかったが、小幅減少にとどまり、2021年は同353万9千本と過去最高記録を大幅更新するに至った。2022年も377万7千本と過去最高記録を連続更新、2023年も小幅ながら続伸ペースとなっている。ミンダナオ島の第2工場の稼働により、更なる販売増加が期待される。

 ヤクルト海外乳製品売上数量(1日当たり本数、単位:千本/日)
国名 連結
区分
2023年1月~6月(速報値)
売上数量 前年同期比伸び率
フィリピン 持分法 3,731 1.0%
台湾 持分法 601 -3.8%
香港 連結 331 0.2%
タイ 持分法 2,183 -2.7%
韓国 持分法 2,234 -9.6%
シンガポール 連結 229 -7.8%
インドネシア 連結 6,525 -11.0%
オーストラリア 連結 335 8.2%
マレーシア 連結 383 -0.8%
ベトナム 連結 985 14.1%
インド 連結 234 3.2%
中東 連結 18 0.9%
ミャンマー 連結 - -
中国 連結 5,124 -15.0%
アジア・オセアニア計
(連 結 合 計)
22,910 -7.5%
14,162 -10.0%
ブラジル 連結 1,366 -4.6%
メキシコ 連結 3,940 5.1%
米国 連結 663 6.2%
米州計 5,969 2.8%
ヨーロッパ計 632 -8.7%
合        計
(連 結 合 計)
29,511 -5.6%
20,764 -6.6%
(出所:ヤクルト本社の連結決算発表補足資料より)

 フィリピンヤクルトの1日当たり販売数量推移(単位:千本)
12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年
数量 1,502 1,594 1,877 2,139 2,449 2,762 3,088 3,196 3,030 3,539 3,777
伸び率 15.9% 6.2% 17.7% 14.0% 14.5% 12.8% 11.8% 3.5% -5.3% 16.8% 6.7%
(出所:ヤクルト本社決算発表補足資料などから作成)