10日に第2四半期GDP統計発表、事前予想中間値は6.0%

最高予想7.5%、最低5.5%:BW紙のエコノミスト21人対象調査

2023/08/08

 フィリピン統計庁(PSA)は、8月10日(木)午前9時、2023年第2四半期(4月~6月)および上半期(1月~6月)の)国内総生産(GDP)など国民勘定統計を発表する。アルセニオ・バリサカン国家経済開発庁(NEDA)長官や及び国家統計学者のマパPSA次官などが解説する。

 現地有力経済紙であるビジネスワールド紙が先週実施した23名の民間エコノミストの2023年第2四半期GDP成長率直前予想集計における予想の中間値は6.0%(最高値7.5%、最低値5.5%)となっている。21名のうち、7.5%予想が1名、6.9%が1名、6.5%が1名、6.2%が3名、6.1%が2名、6.0%が5名、5.9%が3名、5.6%が3名、5.5%が2名となっている。インフレ高進やその対応策としての金融引き締めなどにより、前期(2023年第1四半期)の6.4%、前年同期の7.5%からは鈍化したとの見方が多いが、依然堅調に推移したという見方では一致している。

 2023年第2四半期GDP成長率が予想の中間値6.0%であるとすれば、上半期(1月~6月)の平均成長率は6.2%となり、2023年の政府目標6.0~7.0%の下限近くとなる。年間GDP成長率に関しては、非常に高水準であった2022年の7.6%からは大幅鈍化しそうである。政府成長率目標の下限を下回るとの見方も少なくない。2022年のGDP成長率の7.6%は、現行基準(2018年基準)での遡上記録が残る2001年以降で最高の成長率であり、基準年は異なるが1976年の8.8%以来46年ぶりの高成長であった。

 四半期別GDP成長率の推移(2018年基準:単位:%、23年は速報値)
項目 構成比 四半期成長率   
23年 2021年 22年  23年
期間 1Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q
GNI(国民総所得) 100 -10.5 6.7 2.8 8.1 10.5 9.4 10.6 9.3 9.9
GDP(国内総生産) 92.3 -3.8 12.0 7.0 7.9 8.0 7.5 7.7 7.1 6.4
NPI(海外からの純所得) 7.7 -75.6 -55.6 -52.6 13.8 102.7 66.8 95.1 59.9 81.2

 年間GDP実質成長率の推移と政府目標(2018年基準、単位:%)
14 15 16 17 18 19 20 21 22  23目標 24-28目標
伸び率 6.3 6.3 7.1 6.9 6.3 6.1 -9.5 5.7 7.6 6.0-7.0  6.5-8.0
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、目標は2023年4月24日のDBCC設定数値)