太平洋セメント、ルソン島ターミナル新設等に100億円

年間販売量500万トンや比シェア10%の達成に向けて

2023/08/09

 太平洋セメント(本社:東京都文京区)は、8月8日、「フィリピンの100%子会社であるTaiheiyo Cement Philippines, Inc(TCPI社、本社:セブ州サンフェルナンド町、資本金:135億6,900万ペソ)によるフィリピン国内で最大のセメント消費地であるルソン島でのセメントターミナル新設を決定した」と発表した。

 フィリピンでは好調な経済成長に伴う建設投資の増加等により、セメント需要は堅調に推移している。2015年から2019年までの5年間で年間セメント需要は約30%増加し、3,200万トンに達したと推定される。2020年のセメント需要は、新型コロナウイルス感染拡大等の影響により一時的な縮小が見られたが、政府の大規模インフラ投資計画「ビルド・ベター・モア」等により、セメント需要は再び上昇に転じると見込まれる。

 TCPI社では、フィリピン市場におけるプレゼンスの更なる向上を図るべく、2030年以降における年間販売量500万トンおよび販売シェア10%の達成を目標に掲げている。現在、世界的にも最先端の技術を導入するセメント生産ラインの更新工事(投資額300億円)を行っており、2024年5月からの商業運転開始後のセメント生産能力は年間300万トンへと増強される。この取り組みに続けて、この度、TCPI社の目標達成に向けた歩みを加速するべく、ルソン島南部バタンガス州カラカ地区にセメントターミナルを新設する。

 このターミナルの新設により、フィリピン国内で最大のセメント消費地であるルソン島向けに年間70万トンのセメントを供給することが可能となる。ルソン市場には、近年需要の高まりを見せている混合セメントを積極的に輸送し販売する計画であり、このターミナルの活用が進むことで太平洋セメントグループとしてCO2排出原単位の削減も期待できる。あわせて、ターミナル新設を契機に、フィリピン事業の将来を見据えた海上物流体制の強化も検討しており、総投資額としては100億円程度を見込んでいる。

 太平洋セメントグループは「カーボンニュートラル戦略 2050」を掲げ、2050年にサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを進めている。引き続きグループの総合力を発揮し、経済の発展のみならず環境負荷の低減に積極的に注力することで、環太平洋において社会に安全と安心を提供する企業集団を目指す。