政府負債対GDP比率、23年第2四半期末61.0%と高水準

ピークの22年9月末63.7%からは低下、負債残高は過去最多

2023/08/11

 フィリピン財務局(BTR)データによると、2023年6月末の政府負債残高は、前年同月末比(以下、同様)10.6%増の14兆1,479億ペソと過去最多を更新した。前月末からは0.4%増、2022年末からは5.4%増であった。

 2023年6月末の政府負債残高対GDP比率は61.0%、3月末の61.0%から変わらず、2022年末の60.9%から僅かに上昇した。新型コロナパンデミック直前の2019年末の39.6%からは急上昇。ただし、直近のピークである2022年9月末からは低下している。2022年9月末は63.7%で、2005年末の65.7%以来、約17年ぶりの高水準であった。

 この高水準の対GDP比率を危惧する声も少なくないが、ベンジャミン・ディオクノ財務大臣は、「政府負債対GDP比率は、経済の健全性を評価する唯一の基準ではないし、十分管理可能である。フィリピン経済が力強い成長を続ければ2028年までに50%へ低下することが期待される」と表明済み。

 フィリピン政府の負債残高推移 (単位:億ペソ)
項目 19年末 20年末 21年末 22年末 23年3月末  23年6月末 前年同月比
政府負債残高 77,313 97,950 117,285 134,189 138,569 141,479 10.6%
 対GDP比 39.6% 54.5% 60.5% 60.9% 61.0% 61.0% -
 対内負債残高 51,276 66,947 81,704 92,084  95,132 97,028 10.7%
 対外負債残高 26,037 31,003 35,581 42,105  43,437 44,450 10.4%
保証債務残高 4,887 4,583 4,239 3,991  3,841 3,697 -10.7%
実質負債残高 82,200 102,534 121,525 138,179 142.410 145,176 9.9%
(出所:比財務省資料より作成、6月末の為替レート:1米ドル=55.368ペソ)