フィリピン航空、上半期純利益3.1倍の138億ペソ

収入52%増の874億ペソ、乗客数89%増の700万人

2023/08/13

 フィリピン航空の持株会社であるPALホールディングス(証券コード:PAL)は、8月11日、2023年上半期(1月~6月)の事業報告書を発表した。上半期ベースでは2年連続の黒字で、2016年以来6年ぶりに黒字転換した前年同期から大幅続伸という結果となった。

 PALの当上半期の収入は前年同期比(以下同様)52%増の874億ペソへと大幅増加した。新型コロナ感染減少に伴う移動・外出制限の大幅緩和、経済再開本格化による航空旅行需要回復が寄与した。特に、旅客収入は73%増の782億ペソと大幅増加した。ちなみに、旅客数は89%増の700万人、運航便数は56%増の5万0,400便、ロードファクター(有償座席利用率)は81.6%で前年同期の66.7%から向上した。

 営業拡大で費用は39%増の698億ペソに達したが、伸び率は増収率を大幅に下回った。それらの結果、営業利益は150%増の174億ペソ、純利益は211%増(約3.1倍)の138億ペソ、帰属純利益は206%増(約3.1倍)の109億ペソへと急増した。

 このような事業環境や業績改善を背景に、PALは運航網や機材の拡充やサービス強化を推進する。既にPALは、「2023年に7機の新鋭機を取得するとともに、12機の改装、地上設備の拡充・先端化などを行う予定であり設備投資額は前年比倍増となる見込みである」と表明済みである。また、今年客室乗務員300人の採用を検討しているとも発表した。

 また、PALとエアバスは、今年5月10日、エアバスA350の長胴機であるA350-1000型機のPALへの9機導入と追加3機の購入権に関する覚書を締結した。PALはA350-1000型機を米国東海岸やカナダ等の長距離路線に投入する。納入は2025年第4四半期から始まり、2027年までに9機が引き渡される予定である。すでにA350-900型を2機運用中で、これとあわせて長距離便を拡充する方針である。