セブン銀行のATM設置が進展、RCBCと地場3行目の提携
6月末2,642台に、年内に比セブン-イレブン全店に設置へ
2023/08/16
セブン銀行(本社:東京都千代田区)のフィリピン子会社Pito AxM Platform社(PAPI、本社:マカティ市)による、フィリピン最大手のコンビニエンスストアチェーンであるセブン-イレブン フィリピン(比セブン-イレブン、2023年6月末3,538店)の店舗への現金自動預け払い機(ATM)設置が進展している。
比セブン‐イレブンチェーンを保有・運営するフィリピン セブン(証券コード:SEVN、本社:マニラ首都圏マンダルヨン市)やセブン銀行の発表によると、上記ATM設置が開始された2021年2月末の設置は11台(11店)であったが、表のように、2021年3月末132台、2021年12月末1,249台に達した。2022年は一年間で1,075店に設置、2022年末の設置台数は2,324台に達し、全店舗数3,393店の68%をカバーするに至った。2021年はマニラ首都圏含むルソン地域の店舗での設置であったが、2022年は地方店舗でも設置、2022年末のセブでの設置は148台、ダバオでの設置は82台となった。
2023年も設置が進展、6月末時点の設置台数は前年同月末比45.6%増の2,642台、すなわち、全店舗3,538店の75%に設置されている。2023年末には全店設置を目指すとのことである。したがって、2023年末の設置台数は、6月末の店舗数3,538以上となる見込み。セブン銀行は、3,000台設置後2,000台~3,000台ぐらいを上乗せする方針であり、6,000台設置を視野に入れている。
これらのATMの1台当たり1日平均利用件数は2021年第1四半期の30.6件から、2021年第4四半期には99.4件、2022年第4四半期には156.7件と順調に伸びている。2023年第1四半期は、対顧客手数料の値上げ等が影響したことで144.4件へと一時的に小幅減少した。
平均利用件数は一時的に落ち込み、フィリピンに導入したATMはキャッシュリサイクル機(紙幣還流式ATM)でコストがやや高いこともあって、足元はまだ赤字である。2024年度頃の黒字化を見込んでいる。
フィリピンでは、経済成長に伴い金融取引が増加し、国策による銀行口座の保有率も上昇するなか、ATM利用ニーズも高まりつつある。セブン銀行は2019年4月にフィリピンでのATM運営事業を推進するため子会社PAPI(資本金8,500万ペソ)を設立した。PAPIは、2020年2月、フィリピン セブンとの間で、比セブン‐イレブン店舗でのATM設置・運営・保守事業等の展開を目的とした業務提携契約を締結した。上記のようなフィリピン国内では初の紙幣還流型ATMを設置することで、利便性の高いサービス提供を目指している。
PAPIはこの契約に沿って、比セブン-イレブン店舗へのATM設置を順次進めつつある。ATM運営事業開始に伴い、フィリピン最大手銀行BDOユニバンク(証券コード:BDO、本社:マカティ市)とATM提携を開始、その後もランドバンクと提携、更に8月からはリサール商業銀行(RCBC、証券コード:RCB)とも提携、3行と直接提携することとなった。
セブン銀行のフィリピンATM(セブン-イレブン店舗設置)台数等の推移(台数は四半期末ベース、利用件数は平均値)
比セブン‐イレブンチェーンを保有・運営するフィリピン セブン(証券コード:SEVN、本社:マニラ首都圏マンダルヨン市)やセブン銀行の発表によると、上記ATM設置が開始された2021年2月末の設置は11台(11店)であったが、表のように、2021年3月末132台、2021年12月末1,249台に達した。2022年は一年間で1,075店に設置、2022年末の設置台数は2,324台に達し、全店舗数3,393店の68%をカバーするに至った。2021年はマニラ首都圏含むルソン地域の店舗での設置であったが、2022年は地方店舗でも設置、2022年末のセブでの設置は148台、ダバオでの設置は82台となった。
2023年も設置が進展、6月末時点の設置台数は前年同月末比45.6%増の2,642台、すなわち、全店舗3,538店の75%に設置されている。2023年末には全店設置を目指すとのことである。したがって、2023年末の設置台数は、6月末の店舗数3,538以上となる見込み。セブン銀行は、3,000台設置後2,000台~3,000台ぐらいを上乗せする方針であり、6,000台設置を視野に入れている。
これらのATMの1台当たり1日平均利用件数は2021年第1四半期の30.6件から、2021年第4四半期には99.4件、2022年第4四半期には156.7件と順調に伸びている。2023年第1四半期は、対顧客手数料の値上げ等が影響したことで144.4件へと一時的に小幅減少した。
平均利用件数は一時的に落ち込み、フィリピンに導入したATMはキャッシュリサイクル機(紙幣還流式ATM)でコストがやや高いこともあって、足元はまだ赤字である。2024年度頃の黒字化を見込んでいる。
フィリピンでは、経済成長に伴い金融取引が増加し、国策による銀行口座の保有率も上昇するなか、ATM利用ニーズも高まりつつある。セブン銀行は2019年4月にフィリピンでのATM運営事業を推進するため子会社PAPI(資本金8,500万ペソ)を設立した。PAPIは、2020年2月、フィリピン セブンとの間で、比セブン‐イレブン店舗でのATM設置・運営・保守事業等の展開を目的とした業務提携契約を締結した。上記のようなフィリピン国内では初の紙幣還流型ATMを設置することで、利便性の高いサービス提供を目指している。
PAPIはこの契約に沿って、比セブン-イレブン店舗へのATM設置を順次進めつつある。ATM運営事業開始に伴い、フィリピン最大手銀行BDOユニバンク(証券コード:BDO、本社:マカティ市)とATM提携を開始、その後もランドバンクと提携、更に8月からはリサール商業銀行(RCBC、証券コード:RCB)とも提携、3行と直接提携することとなった。
セブン銀行のフィリピンATM(セブン-イレブン店舗設置)台数等の推移(台数は四半期末ベース、利用件数は平均値)
2021年 | 2022年 | 2023年 | |||||||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 4Q予 | |
設置台数 | 132 | 367 | 681 | 1,249 | 1,497 | 1,814 | 1,966 | 2,324 | 2,397 | 2,642 | 3,538超 |
1台1日の利用件数 | 30.6 | 64.3 | 72.3 | 99.4 | 109.6 | 122.5 | 128.6 | 156.7 | 144.4 | N.A. | N.A. |
(出所:セブン銀行資料などより作成)