パナソニック マニュファクチャリング、創業60周年に

PSE上場40周年、23年度第1四半期4.7倍増益と急回復

2023/08/24

 パナソニックのフィリピン製造拠点であるパナソニック マニュファクチャリング フィリピン(比パナソニック、証券コード:PMPC、会計期末3月)は、このほど、2023年度第1四半期(2023年4月~6月)の事業報告書を開示した。
 
 それらによると、2023年度第1四半期の売上高は前年度同期比(以下同様)4.3%減の35億8,427万ペソ。前年同期の28%増収の反動もあって小幅減収にとどまった。前年度同期に好調であった洗濯機、冷蔵庫の売上が伸び悩んだ。しかし、原価低減で粗利益は18.8%増の5億5,467万ペソと二桁増加。その他収入が43.3%増加したことなどで純利益は368.9%増(約4.7倍)の5,848万ペソへと大幅増加した。

 なお、PMPCの起源は、1963年5月に設立されたフェスティバル・マニュファクチャリング(FMC)である。このほど創業60周年を迎えた。FMCは1965年に、プレシジョン・エレクトロニクス(PEC)と社名変更した。このPECと松下電器産業(MEI、社名は当時)が1967年にフィリピンで合弁家電企業を設立した。当初の合弁企業名はPECだったが、25年後の1992年にマツシタ エレクトリック フィリピン(MEPCO)と変更された。さらに、2005年に現社名PMPCへと再変更された。

 PMPCは1983年1月にフィリピン証券取引所(PSE)に上場され、今年は上場40周年。現在、PMPCは額面1ペソの普通株式を約4億2,272万株発行している。そのうち、フィリピン人のみが投資可能なA株約8,472万株が上場されている。2023年8月17日のA株終値は5.29ペソであった。浮動株比率は14.91%。日本のパソニック本社のPMPC保有比率は2022年6月末時点で79.96%である。パナソニック本社の保有するのはPMPCのB株である。

 表1.パナソニック マニュファクチャリング フィリピン 第1四半期の業績比較(単位:万ペソ)
項目 2019年度 2020年度  2021年度 2022年度   2023年度  増減率
売上高 334,671 161,081 292,928  374,548  358,427 -4.3%
粗利益 57,641 20,007 49,221  46,684  55,467 +18.8%
税引前利益 13,738 -8,261 11,622  2,915  8,080 +177.2%
所得税費用 3,014 5,333 3,404  1,668  2,232 +33.9%
純利益  10,724 -13,594  8,218  1,247  5,848 +368.9%
(出所:PMPC事業報告書などより作成)

 表2.パナソニック マニュファクチャリング フィリピン年間業績推移(単位:万ペソ)
項目 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度  22年度伸率 
売上高 1,049,008 1,152,081 1,190,695 1,088,310 1,259,053 1,517,832  20.6% 
粗利益 201,187 225,380 239,868 256,628 254,572 251,843  -1.1% 
税引前利益 31,692 27,459 24,006 47,865 24,346 24,094  -1.0%
所得税費用 5,288 12,607 11,360 12,063 7,792 5,868  -24.7%
純利益 26,403 14,852 12,646 35,802 16,553 18,226  10.1%
(出所:PMPCの年次報告書などより作成)