銀行業界の総資産、上半期末9%増の23兆3千億ペソ

純利益26%増の1,804億ペソ、ROEは12.83%、ROA1.56%

2023/09/08

 中央銀行(BSP)の暫定速報データによると、フィリピン銀行業界の2023年6月末の総資産は前年同期末比(以下同様)9.0%増の23兆2,770億ペソに達した。融資残高(銀行間やリバース・レポ含む)は8.6%増の12兆2,875億ペソ、純投資残高は9.7%増の6兆7,671億ペソであった。
 
 負債残高は8.7%増の20兆4,197億ペソ、そのうちの受け入れ預金残高は8.0%増の17兆8,077億ペソ。また、自己資本額は10.9%増の2兆8,573億ペソへと二桁増加した。不良債権(NPL)比率は3.42%で前年同月末の3.60%から改善、NPL貸倒引当率も101.91%で同97.08%から改善した。

 銀行業界の2023年上半期(1月~6月)の純金利収入は21.0%増の4,287億ペソ。純利益は26.1%増の1,804億ペソへと二桁増加した。年率換算の自己資本利益率(ROE)は12.83%、総資本利益率(ROA)は1.56%、純金利率は3.97%に達した。

 個別動向に関しては、フィリピン証券取引所(PSE)上場の民間銀行主要8行の動向は表1、表2のとおり。総資産、自己資本、融資残高、受け入れ預金残高などの規模、営業収入、純金利収、純利益など収益、双方において、BDOユニバンク(BDO)がトップとなっている。

 民間上位銀行の2023年上半期の資産等の状況(単位:億ペソ、自己資本比率は対リスク資産{CAR})
行名 総資産 純資産 自己資本比率 預金残高 融資残高
BDOユニバンク 41,583 4,875 14.97% 32,958 27,105
メトロバンク 28,638 3,298 17.90% 22,532 13,979
BPI 26,847 3,361 16.46% 21,441 17,205
チャイナバンク 13,849 1,385 16.08% 11,214 7,259
RCBC 11,743 1,184 14.20% 8,997 5,877
PNB 11,629 1,783 16.80% 8,929 5,929
ユニオンバンク 11,094 1,724 16.20% 6,933 5,222
セキュリティバンク 7,958 1,305 17.06% 5,247 4,846
(出所:各銀行の事業報告書などより)

 民間上位銀行の2023年上半期の収益動向(単位:億ペソ、純利益は帰属ベース)

銀行名  純収入  伸び率 純金利収入 伸び率 純利益 伸び率 純金利率 ROE
BDOユニバンク 1,277 23.1% 895 28.9% 352 47.0% 4.65% 15.10%
メトロバンク 655 19.1% 506 27.0% 209 34.1% 3.93% 12.89%
BPI 656 13.8% 501 27.4% 252 23.0% 4.03% 15.53%
PNB 293 12.2% 216 24.6% 98 -11.6% 4.24% 10.30%
チャイナバンク 272 7.9% 255 16.2% 108 7.4% 4.20% 15.86%
RCBC 235 10.5% 154 -4.0% 62 1.4% 3.30% 11.10%
ユニオンバンク 344 59.8% 240 41.1% 63 6.1% 5.20% 7.90%
セキュリティバンク 206 7.3% 157 9.0% 49 -21.3% 4.24% 7.67%
(出所:各銀行の事業報告書などより)