8月末の外貨準備高、2.4%増の998億ドル

輸入7.4カ月分相当、残存短期負債の4.1倍

2023/09/08

 フィリピン中央銀行(BSP)の9月7日の速報データによると、2023年8月末の総外貨準備高(GIR)は前年同月末比2.4%増の998億0,590万米ドル、前月末(999億5,140万米ドル)からは0.1%減少した。

 8月末のGIRは、輸入・第一次所得の7.4カ月分に相当する。また、短期対外負債の約5.9倍(元本ベース)、残存ベースで4.1倍に相当する水準でもある。BSPによると、十分な外部流動性バッファーとのことである。

 GIRの前月からの減少は、主に、政府の外貨建て債務の支払い、国際市場の金価格下落に伴う中央銀行の金保有高の再評価調整等を反映している。BSPの準備資産と準備負債(短期対外負債及び国際通貨基金からの信用貸付け)の差を示す純外貨準備高(NIR)は、8月末時点で、998億米ドルとなり、前月末(999億米ドル)から1億米ドル減少した。

 フィリピンの総外貨準備高推移(単位:百万米ドル)
項目 年末値  8月末 伸び率
年・月 19年 20年 21年 22年 22年 23年 前月比 前年同月比
総外貨準備高(GIR) 87,840 110,117 108,794 96,149 97,442 99,806 -0.1% 2.4%
輸入カバー率(月数) 7.6 12.3 9.7 7.2 7.5 7.4 -
(出所:BSP資料より作成、2023年8月末は速報値)