7月の在外フィリピン人からの送金、2.5%増の33億2千万ドルに

7カ月間3%増の209億ドル、銀行経由188億ドル、日本から9億ドル

2023/09/17

  フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると、2023年7月の包括的海外在住フィリピン人(OF)の本国送金額(速報値)は前年同月比2.5%増の33億2,100万米ドル、今年に入って最高となった。雇用契約1年以上の陸上ベースのOFからの送金額が2.6%増、雇用契約1年未満の陸上・海上ベースのOFからの送金が2.3%増と共に増加した。

 年初7カ月累計では前年同期比2.9%増の209億1,100万米ドルに達した。雇用契約1年以上の陸上ベースのOFからの送金額が3.0%増の162億4,000万米ドル、雇用契約1年未満の陸上・海上ベースのOFからの送金が2.4%増の41億7,000万米ドル。OF送金は依然としてフィリピンの主要な外貨流入源である。

 包括的OF送金額   (単位:百万米ドル、対前年同期伸び率:%)
項目 年間推移 1月-7月
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2022年 2023年
送金額 32,213 33,467 33,194 34,884 36,136 20,326 20,911
伸び率 3.0 3.9 -0.8 5.1 3.6 2.7 2.9
(出所:BSP資料より作成、2022-23年は速報値)

 月別包括的OF送金額推移   (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)
2022年 2023年
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
送金額 3,240 3,017 3,148 3,227 2,931 3,487 3,071 2,860 2,973 2,773 2,782 3,131 3,321
伸び率 2.3 4.4 4.0 3.5 5.8 5.7 3.5 2.4 3.0 3.8 2.9 2.2 2.5
(出所:BSP資料より作成、全て速報値)

 包括的OF本国送金額(銀行経由現金送金+帰国時持参分+非現金型資産贈与)のうち、BSPが把握している公式銀行ルートによる7月の現金送金額(速報値)は前年同月比2.6%増の29億9,200万米ドル。そのうち陸上ベースのOFからの送金額は2.7%増、海上ベースのOFからの送金は1.9%増だった。

 年初7カ月累計では前年同期比2.9%増の187億8,500万米ドル。そのうち陸上ベースのOFからの送金額は3.1%増の149億7,600万米ドル、海上ベースのOFからの送金は2.0%増の38億1,000万米ドル。

 送金元の国別動向については、1位が米国で前年同期比2.8%増の77億6,300万米ドル(シェア41.3%)、2位はシンガポールの2.6%増の13億0,200万米ドル(同6.9%)、3位サウジアラビアの2.9%増の11億1,700万米ドル(同5.9%)、4位日本の2.8%増の9億4,100万米ドル(同5.0%)、5位英国の2.0%増の9億1,100万米ドル(同4.8%)、6位アラブ首長国連邦の4.2%増の7億6,200万米ドル(同4.1%)、7位カナダの2.5%増の6億5,000万米ドル(同3.5%)、8位カタールの4.5%増の5億2,500万米ドル(同2.8%)など。

 ただし、情報筋による送金データにはある程度の制約がある。海外の様々な都市の送金センターの一般的なやり方として、コルレス銀行を通じて送金を処理するが、コルレス銀行の大部分が米国にある。また、マネークーリエ(現金宅配)サービスを通じて処理された送金は、実際の送金の出所(国)によって分類できない。

 OFの銀行経由送金額推移  (単位:百万米ドル、対前年同期伸び率:%)
項目 年間推移 1月-7月
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2022年 2023年
送金額 28,943 30,133 29.903 31,418 32,539 18,264 18,785
伸び率 3.1 4.1 -0.8 5.1 3.6 2.8 2.9
(出所:BSP資料より作成、2022-23年は速報値)

 月別OFの銀行経由送金額推移  (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)
2022年 2023年
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
送金額 2,917 2,721 2,840 2,911 2,644 3,159 2,762 2,569 2,671 2,485 2,494 2,812 2,992
伸び率 2.3 4.3 3.8 3.5 5.7 5.8 3.5 2.4 3.0 3.7 2.8 2.1 2.6
(出所:BSP資料より作成、全て速報値)