訪日フィリピン人数コロナ前超えに、8月は3万9千人

19年同月比23%増、前年同月比4.9倍、8カ月間でも19年越え

2023/09/21

 日本政府観光局(JNTO)は9月20日、2023年8月の訪日外客数推計値を発表した。それによると、8月の訪日外客数は215万6,900人となり、3カ月連続で200万人を突破するとともに、2019年同月の252万0,134人の85.6%まで戻した。

 23市場中13市場において、2019年同月の訪日外客数を上回っており、特に東アジア地域では香港、東南アジア地域ではインドネシアやフィリピン、欧米豪中東地域では米国やカナダ等で訪日外客数が増加したことが回復率の押し上げ要因となった。なお、国際線定期便に関しては、2023年夏ダイヤ時点でコロナ禍前の約6割まで運航便数が回復し、その後も東アジアを中心に増便・復便が続いている。

 8月に訪日外客数の多かった上位5市場は、韓国(56万9,100人)、台湾(39万6,300人)、中国(36万4,100人)、香港(20万6,300人)、米国(13万8,400人)。

 フィリピンは、日本の水際規制緩和、学校の夏期休暇の影響等もあり、8月の訪日外客数は3万8,600人(2019年同月比22.7%増、2022年同月比393.4%増{約4.9倍})であった。セブ~成田間の増便、マニラ~中部間の増便などもあり、日本への直行便数は、前年同月と比較して回復傾向にある。

 2023年年初8カ月の累計訪日外客数は1,518万9,900人となった。2019年同月比31.4%減。上位5市場は、韓国(432万4,400人)、台湾(258万9,200人)、香港(133万2,500人)、米国(130万9,400人)、中国(127万2,200人)、タイ(58万0,600人)。フィリピンは36万7,400人(2019年同期比0.8%増、2022年同期比775.9%増)。ASEAN加盟国ではタイ、ベトナムに次いで3番目に多い。

 JNTOは、新たな観光立国推進基本計画(2023年3月31日閣議決定)を踏まえ、「観光立国の復活に向けて、観光地・観光産業について持続可能な形で「稼ぐ力」を高めると共に、地方誘客や消費拡大を促進しつつ、インバウンドのV字回復を図る必要がある。国内関係者が連携し、海外旅行会社等へのセールス強化や情報発信を通じた高付加価値旅行、アドベンチャートラベルの推進、MICE誘致などの取組みを強化していくことが求められる」と今後の課題を示している。