企業景況感、第3四半期35.8%へ低下(前期40.8%)
原料・生産コスト上昇やペソ安を懸念:中銀調査
2023/09/25
フィリピン中央銀行(BSP)の企業景気予測調査によると、2023年第3四半期(7月~9月)のマクロ経済に関する企業の総合景況感指数(CI)はプラス35.8%で、前期のプラス40.8%から低下した。地域別では、首都圏がプラス38.2%(前期プラス41.9%)、地方はプラス30.9%(同プラス38.5%)と共に前期を下回った。
企業の総合景況感指数(%) 2020年3Q- 2023年3Q
(出所:BSP資料より作成)
回答企業は、前回調査時より企業マインドが弱気となった主な理由として、1)悪天候による混乱やその他季節的要因による商品・サービスの売上と需要の減少、2)原材料価格及び生産コストの上昇、3)インフレと金利の上昇、4)ペソ安などを挙げている。
現時点での次期(2023年第4四半期)に対する企業マインドは、さらに楽観的となり、プラス53.8%と前期調査時のプラス46.4%から上昇。また、今後12カ月(2024年第3四半期)に関しても、プラス59.7%と、前期調査時のプラス58.5%を上回った。全分野における商品・サービス需要の活発化、経済の全面的再開によるビジネス環境の改善、事業の更なる拡大と新たなビジネスチャンス、顧客とプロジェクトの増加、インフレ緩和等が好感された。
当期のセクター別CIは、産業(鉱工業・農林水産業)部門:+22.8%(前期+33.2%)、建設部門:+46.1%(同+25.6%)、卸・小売部門:+29.9%(同+41.1%)、サービス部門:+45.2%(同+46.7%)。建設部門のみ前期から上昇した。サービス部門の中では、金融仲介業:+47.6%(同+51.2%)、ホテル・レストラン業:+62.0%(同+46.5%)、事業活動:+39.1%(同+50.6%)、不動産業:+50.4%(同+40.5%)、コミュニティ・社会事業:+72.8%(同+64.2%)、輸送業:+17.4%(同+34.2%)。
セクター別の総合景況感指数(%) 2020年3Q- 2023年3Q
(出所:BSP資料より作成)
当期の工業及び建設部門の平均稼働率は70.5%で前期の71.0%から僅かに低下した。
回答企業の内訳は、内需向け業者(シェア68.6%)、輸出入業者(同10.7%)、輸入業者(同10.1%)、輸出業者(同4.8%)。内需向け業者のCIは+42.5%(前期+47.7%)、輸出入業者+31.5%(同+38.9%)、輸入業者+29.4%(同+35.4%)、輸出業者+16.7%(同+25.0%)とそれぞれ前期から弱気になった。
景況感指数(CI)は景気動向に関して良いという回答から悪いという回答を差し引いたもので、ゼロが中立となる。今回の聞き取り調査期間は2023年7月5日~8月15日、調査対象はビジネス情報の大手出版社Bureau van Dijk(BvD)の2016-2017年の総資産に基づいた上位7,000社から選出された全国の1,549社(首都圏583社、地方966社)で、回答率はフィリピン全体で64.9%と前回調査時の59.4%を僅かに下回った。首都圏の回答率は63.8%、地方が65.5%。規模別では大企業(従業員500人以上)が12.8%、中企業(従業員100~499人)が34.0%、小企業(従業員100人以下)が44.7%。
企業の総合景況感指数(%) 2020年3Q- 2023年3Q
年/四半期 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |||||||||
3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | |
当該四半期 | -5.3 | 10.6 | 17.4 | 1.4 | -5.6 | 39.7 | 32.9 | 35.4 | 26.1 | 23.9 | 34.0 | 40.8 | 35.8 |
次の四半期 | 16.8 | 37.4 | 42.8 | 31.4 | 31.9 | 52.8 | 59.7 | 46.4 | 43.9 | 31.3 | 49.0 | 46.4 | 53.8 |
次の12カ月 | 37.5 | 57.7 | 60.5 | 52.5 | 56.0 | 67.6 | 69.8 | 59.9 | 57.7 | 46.2 | 61.9 | 58.5 | 59.7 |
回答企業は、前回調査時より企業マインドが弱気となった主な理由として、1)悪天候による混乱やその他季節的要因による商品・サービスの売上と需要の減少、2)原材料価格及び生産コストの上昇、3)インフレと金利の上昇、4)ペソ安などを挙げている。
現時点での次期(2023年第4四半期)に対する企業マインドは、さらに楽観的となり、プラス53.8%と前期調査時のプラス46.4%から上昇。また、今後12カ月(2024年第3四半期)に関しても、プラス59.7%と、前期調査時のプラス58.5%を上回った。全分野における商品・サービス需要の活発化、経済の全面的再開によるビジネス環境の改善、事業の更なる拡大と新たなビジネスチャンス、顧客とプロジェクトの増加、インフレ緩和等が好感された。
当期のセクター別CIは、産業(鉱工業・農林水産業)部門:+22.8%(前期+33.2%)、建設部門:+46.1%(同+25.6%)、卸・小売部門:+29.9%(同+41.1%)、サービス部門:+45.2%(同+46.7%)。建設部門のみ前期から上昇した。サービス部門の中では、金融仲介業:+47.6%(同+51.2%)、ホテル・レストラン業:+62.0%(同+46.5%)、事業活動:+39.1%(同+50.6%)、不動産業:+50.4%(同+40.5%)、コミュニティ・社会事業:+72.8%(同+64.2%)、輸送業:+17.4%(同+34.2%)。
セクター別の総合景況感指数(%) 2020年3Q- 2023年3Q
年/四半期 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |||||||||
3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | |
産業部門 | 2.9 | 13.3 | 16.8 | 10.3 | 1.2 | 35.4 | 31.2 | 29.9 | 18.0 | 19.9 | 25.6 | 33.2 | 22.8 |
建設部門 | 4.5 | 19.7 | 9.9 | 22.0 | -7.2 | 47.5 | 34.7 | 22.6 | 16.2 | 18.9 | 34.7 | 25.6 | 46.1 |
卸・小売部門 | -8.7 | 5.2 | 18.7 | -9.5 | -16.9 | 29.2 | 21.4 | 36.1 | 28.1 | 30.6 | 35.6 | 41.1 | 29.9 |
サービス部門 | -9.6 | 10.6 | 17.8 | 0.6 | -2.4 | 47.4 | 40.5 | 39.5 | 30.5 | 22.6 | 37.6 | 46.7 | 45.2 |
当期の工業及び建設部門の平均稼働率は70.5%で前期の71.0%から僅かに低下した。
回答企業の内訳は、内需向け業者(シェア68.6%)、輸出入業者(同10.7%)、輸入業者(同10.1%)、輸出業者(同4.8%)。内需向け業者のCIは+42.5%(前期+47.7%)、輸出入業者+31.5%(同+38.9%)、輸入業者+29.4%(同+35.4%)、輸出業者+16.7%(同+25.0%)とそれぞれ前期から弱気になった。
景況感指数(CI)は景気動向に関して良いという回答から悪いという回答を差し引いたもので、ゼロが中立となる。今回の聞き取り調査期間は2023年7月5日~8月15日、調査対象はビジネス情報の大手出版社Bureau van Dijk(BvD)の2016-2017年の総資産に基づいた上位7,000社から選出された全国の1,549社(首都圏583社、地方966社)で、回答率はフィリピン全体で64.9%と前回調査時の59.4%を僅かに下回った。首都圏の回答率は63.8%、地方が65.5%。規模別では大企業(従業員500人以上)が12.8%、中企業(従業員100~499人)が34.0%、小企業(従業員100人以下)が44.7%。
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