中央銀行、9月のインフレ率を5.3%~6.1%と推定

2カ月連続の加速懸念、石油等の値上がりやペソ安響く

2023/09/30

 フィリピン統計庁(PSA)は10月5日、2023年9月の消費者物価(インフレ)統計を発表する予定である。

 それに先立ち、フィリピン中央銀行(BSP)は、9月29日、「2023年9月の総合消費者物価上昇率(総合インフレ率、前年同月比、2018年基準)は5.3%~6.1%の範囲内であったと推定している」と発表した。すなわち、9月のインフレ率は8月の5.3%から加速、16カ月ぶりの低水準となった7月の4.7%からは2カ月連続での加速となった可能性があると見ている。
 
 BSPは、2023年9月は、石油製品、電力料金、一部農産物の値上がり、ペソ対ドルレートの下落などがインフレ上昇圧力となったと分析している。なおBSPは、9月21日の政策金利据え置き決定に際して、2023年年間のインフレ率予想についてそれまでの5.6%から5.8%へと上方修正した。2024年予想についてもそれまでの3.3%から3.5%へと上方修正した。2025年予想については3.4%が継続された。

 フィリピンの総合インフレ率推移(2012年基準と2018年基準との比較)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年  2022年  2023年予  2024年予  2025年予
2018年基準  N.A.   N.A.  5.2% 2.4%  2.4%  3.9%  5.8%  5.8%  3.5%  3.4%  
2012年基準 1.3% 2.9% 5.2% 2.5% 2.6% 4.5% N.A.    N.A.     N.A.     N.A.   
インフレ目標 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4%  2~4%  2~4%  2~4%  2~4% 
 (出所:PSA資料などより作成、2023年以降の予想はBSPの2023年9月21日時点の予想)