9月の株価2.4%上昇、一時は11カ月ぶりの安値に
9カ月間3.7%下落でコロナ前に戻らず、時価総額16.7兆ペソ
2023/10/02
フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2023年9月29日の終値は6,321.24ポイントとなり、前月末から2.36%上昇した。9月の終値ベースでの最高値は28日の6,385.52ポイント。最安値は20日の6,041.04ポイントで、2022年10月24日の6,028.79ポイント以来、約11カ月ぶりの安値へと落ち込んだ。
8月の大半は、引き続き米国の金融引き締め継続懸念、フィリピン第2四半期GDP成長率4.3%への急減速、中国の大手不動産企業である恒大集団の米国での連邦破産法15条申請に伴う中国の景気不安再燃などを背景に弱気相場が続き、9月20日には一時6,000ポイントの大台を割り込み、終値ベースでも上記のように11カ月ぶりの安値となった。しかし、6,000台を割り込んだことでアク抜け感らしきものが生じ、国内投資家が値頃感や出遅れ感からの押目買いの動きを活発化させたことで、月末にかけて反発、月間ベースでは2カ月ぶりの反発となった。
PSEiは、2023年年初9カ月では3.73%下落。新規の買い材料に乏しく上値が重たい展開で、新型コロナパンデミック発生前の水準に戻れないままの動きとなっている。大分類セクター別指数は、金融株(+13.18%)のみプラス。不動産株(-10.76%)、サービス業株(-7.71%)、持株会社株(-6.21%)、工業株(-4.66%)、鉱業・石油株(資源株、-0.14%)は下落した。金融株は、銀行の不良債権比率の急ピッチの改善や業績回復が好感されている。一方、金利上昇という環境下で、金利敏感の代表格である不動産株は軟調な展開が続いている。
年初9カ月の1日当たり平均売買額は前年同期比8%減の66億ペソであった。外国人投資家の売り越し額は36%減の428億ペソ。外国人の売買額シェアは43%で、前年同期の43%から変わらず。9カ月間の外国人投資家の買い越し日は78営業日だった(1月は16日、2月は5日、3月は9日、4月は8日、5月は13日、6月は9日、7月は12日、8月は4日、9月は2日)。
9月末のPSE時価総額は16兆7,029億ペソで2022年9月末から9%増加した。そのうち国内企業時価総額が13兆1,571億ペソであった。なお、PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は13.61倍で、2022年9月末の15.08倍、2022年末の14.51倍から低下した。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
(出所:PSE資料より作成)
PSEセクター別株価指数上昇率
(出所:PSE資料より作成)
市場動向の推移(年末・年間値、23年は9月末)
(出所:PSE資料より作成)
8月の大半は、引き続き米国の金融引き締め継続懸念、フィリピン第2四半期GDP成長率4.3%への急減速、中国の大手不動産企業である恒大集団の米国での連邦破産法15条申請に伴う中国の景気不安再燃などを背景に弱気相場が続き、9月20日には一時6,000ポイントの大台を割り込み、終値ベースでも上記のように11カ月ぶりの安値となった。しかし、6,000台を割り込んだことでアク抜け感らしきものが生じ、国内投資家が値頃感や出遅れ感からの押目買いの動きを活発化させたことで、月末にかけて反発、月間ベースでは2カ月ぶりの反発となった。
PSEiは、2023年年初9カ月では3.73%下落。新規の買い材料に乏しく上値が重たい展開で、新型コロナパンデミック発生前の水準に戻れないままの動きとなっている。大分類セクター別指数は、金融株(+13.18%)のみプラス。不動産株(-10.76%)、サービス業株(-7.71%)、持株会社株(-6.21%)、工業株(-4.66%)、鉱業・石油株(資源株、-0.14%)は下落した。金融株は、銀行の不良債権比率の急ピッチの改善や業績回復が好感されている。一方、金利上昇という環境下で、金利敏感の代表格である不動産株は軟調な展開が続いている。
年初9カ月の1日当たり平均売買額は前年同期比8%減の66億ペソであった。外国人投資家の売り越し額は36%減の428億ペソ。外国人の売買額シェアは43%で、前年同期の43%から変わらず。9カ月間の外国人投資家の買い越し日は78営業日だった(1月は16日、2月は5日、3月は9日、4月は8日、5月は13日、6月は9日、7月は12日、8月は4日、9月は2日)。
9月末のPSE時価総額は16兆7,029億ペソで2022年9月末から9%増加した。そのうち国内企業時価総額が13兆1,571億ペソであった。なお、PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は13.61倍で、2022年9月末の15.08倍、2022年末の14.51倍から低下した。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
2018年 | 7,466.02ポイント | -12.76% |
2019年 | 7,815.26ポイント | 4.68% |
2020年 | 7,139.71ポイント | -8.64% |
2021年 | 7,122.63ポイント | -0.24% |
2022年 | 6,566.39ポイント | -7.81% |
2023年 1月末 | 6,793.25ポイント | 3.45% |
2月末 | 6,556.20ポイント | -3.49% |
3月末 | 6,499.68ポイント | -0.86% |
4月末 | 6,625.08ポイント | 1.93% |
5月末 | 6,477.36ポイント | -2.23% |
6月末 | 6,468.07ポイント | -0.14% |
7月末 | 6,591.47ポイント | 1.91% |
8月末 | 6,175.25ポイント | -6.31% |
9月末 | 6,321.24ポイント | 2.36% |
9カ月間 | - | -3.73% |
PSEセクター別株価指数上昇率
項目 | 19年 | 20年 | 21年 | 22年 | 23年9カ月間 | 23年9月末指数 |
PSE指数 | 4.68% | -8.64% | -0.24% | -7.81% | -3.73% | 6,321.24 |
全株指数 | 2.92% | -8.11% | -10.64% | -9.33% | -1.77% | 3,400.83 |
金融株指数 | 4.71% | -22.32% | 10.95% | 2.42% | 13.18% | 1,861.78 |
工業株指数 | -12.02% | -2.51% | 10.76% | -10.12% | -4.66% | 8,915.66 |
持株会社株指数 | 3.41% | -3.13% | -7.44% | -5.49% | -6.21% | 6,033.57 |
不動産株指数 | 14.51% | -11.80% | -12.14% | -9.04% | -10.76% | 2,613.61 |
サービス業株指数 | 6.13% | -1.11% | 31.19% | -17.73% | -7.71% | 1,508.29 |
鉱業・石油株指数 | -1.32% | 17.75% | 0.77% | 12.57% | -0.14% | 10,794.09 |
市場動向の推移(年末・年間値、23年は9月末)
項目 | 19年 | 20年 | 21年 | 22年 | 23年9月末 |
PSE指数 | 7,815.26 | 7,139.71 | 7,122.63 | 6,566.39 | 6,321.24 |
年・月末時価総額(億ペソ) | 167,053 | 158,889 | 180,811 | 165,585 | 167,029 |
国内企業時価総額(億ペソ) | 139,468 | 130,994 | 145,637 | 132,818 | 131,571 |
外国企業時価総額(億ペソ) | 27,585 | 27,895 | 35,174 | 32,767 | 35,458 |
1日平均売買額(億ペソ) | 73 | 73 | 90 | 73 | 66 |
外国人の売買額シェア | 55% | 45% | 36% | 41% | 43% |
外国人買越額(億ペソ) | -145 | -1,287 | -23 | -679 | -428 |
PER(株価収益率) | 16.52倍 | 24.88倍 | 22.84倍 | 14.51倍 | 13.61倍 |
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