ペソ:9月は一時10カ月ぶりの安値に、米引き締め長期化懸念

中銀介入により月間で0.05%上昇、9カ月間では1.45%下落

2023/10/03

 フィリピン銀行協会(BAP)のペソ対米ドル為替データによると、2023年9月最終取引日である29日の終値は1米ドル=56.575ペソで、前月末から0.020ペソ上昇、率にして0.04%のペソ高となった。9月の終値ベースで最もペソ安となったのは28日の1米ドル=56.980ペソ。2022年11月22日の終値57.375ペソ以来、約10カ月ぶりの安値へと下落した。最もペソ高となったのは翌日の最終日である29日の1米ドル=56.575ペソであった。、
 
 9月は、米国やフィリピンの金融当局の動きを睨む狭いレンジの神経質な展開となった。米国の金融引き締め長期化観測や政府機関閉鎖リスクの高まりによる長期金利上昇に伴うドル高の流れが波及したこと、フィリピンの景気減速懸念などを背景にペソが軟調に推移する時間が長く、上記のように一時は約10カ月ぶりのペソ安水準へと下落した。

 しかし、月末にかけては、フィリピン中央銀行(BSP)が57ペソ台への下落を防ぐと表明したり介入の動きを見せたことでペソが最終日に反発、結局月間ベースでは0.05%上昇した。
 
 年初9カ月間では1.45%のペソ安となった。9カ月間の終値ベースで最もペソ高になったのは2月3日の1米ドル=53.680ペソ、最もペソ安となったのは9月28日の1米ドル=56.980ペソであった。年初9カ月間も、米国の景気や金融政策動向・見通しに大きく左右される展開であった。また、フィリピンの高水準の貿易赤字などもあって、ペソの上値が重い展開でもあった。

 第4四半期も、米国の金融政策動向や金利動向に左右されそうであるが、クリスマス休暇シーズンに向けて海外就労フィリピン人(OFW)の本国送金が増加する時期であることがペソの下支えとなりそうである。


 ペソ対米ドルレートの動き(年末値/月末値)

時期 年末・月末値 上昇率
2012年 41.050ペソ 6.80%
2013年 44.395ペソ -7.53%
2014年 44.720ペソ -0.73%
2015年 47.060ペソ -4.97%
2016年 49.720ペソ -5.35%
2017年 49.930ペソ -0.42%
2018年 52.580ペソ -5.04%
2019年 50.635ペソ 3.84%
2020年 48.023ペソ 5.44%
2021年 50.999ペソ -5.84%
2022年 55.755ペソ -8.53%
2023年 1月末 54.640ペソ 2.04%
2月末 55.330ペソ -1.25%
3月末 54.360ペソ 1.78%
4月末 55.380ペソ -1.84%
5月末 56.150ペソ -1.37%
6月末 55.200ペソ 1.72%
7月末 54.880ペソ 0.58%
8月末 56.595ペソ -0.03%
9月末 56.575ペソ 0.04%
9カ月間 - -1.45%
(出所:フィリピン銀行協会資料より作成)