アイ・ピー・エス、200人規模のフィリピン視察旅行を開催

比で積極展開、海底ケーブル等の通信やヘルスケア事業

2023/10/31

 情報通信事業などを展開する株式会社アイ・ピー・エス(IPS、本社:東京都中央区)は、10月28日から10月30日の日程にて、株主など約200名を対象としたフィリピン視察旅行を実施した。新型コロナウイルス感染症の影響により3年間中断していたが経済活動などが正常化してきていることから、4年ぶりの再開となった。

 IPSでは、より多くの株主などにアフターコロナにおけるフィリピンの状況、市場環境及びなIPSグループの事業活動を理解してもらうべく、マニラ首都圏地域の事業所見学ツアーなどを行った。29日には、マカティ市のザ ペニンシュラ マニラにおいて、事業戦略説明会を実施、宮下幸治代表取締役社長や上森雅子専務取締役などが説明を行った。

 1991年10月設立のアイ・ピー・エスは、主に日本とフィリピンで事業を運営している。日本では、登録電気通信事業者として、音声通信を中心とする通信サービスを提供、フィリピンでは国際通信回線容量、光回線の提供・敷設などの通信事業やメディカル&ヘルスケア事業を運営している。

 フィリピン通信事業は、2015年に出資したInfiniVAN, Inc.(インフィニVAN、所在地:タギグ市BGC)を通して展開されている。2017年に通信事業を行うための許認可を取得、フィリピン市場でブロードバンドのインターネットサービスを提供している。現在の主要な事業は、ルソン島のマニラ首都圏での法人向けインターネット接続サービス(ISP)、およびミンダナオ島・パナイ島における光ファイバー通信回線の敷設による、地域通信事業者・CATV事業者へのインフラ提供などである。さらに、BPO企業KEYSQUARE(キースクエア)も有している。

 一方、2010年2月には医療法人社団翔友会(品川美容外科や品川スキンクリニックを展開)との合弁により、Shinagawa Lasik & Aesthetics Center Corporation(シナガワ レーシック、所在地マニラ首都圏マカティ市エンタープライズセンター)を設立、レーシック(近視矯正)手術や美容医療を提供している。現在、マニラ首都圏3カ所(マカティ市、パシグ市、タギグ市ボニファシオグローバルシティ=BGC)で、近視矯正手術を中心としたクリニックを開設している。近視矯正手術は2012年の1,000件弱から2022年には約7,000件へと大幅増加している。2017年からは白内障に対する手術も行っている。

 IPSは過去最大の投資案件として、2022年7月よりインフィニVANを通じて、フィリピンの通信企業グローブ テレコム(証券コード:GLO)とイースタンテレコミュ二ケーションズ フィリピン(イースタンテレコム)と共同で、フィリピン国内海底ケーブルシステム(PDSCN)の建設を開始した。2023年4月に海底部分の建設が完了しており、全国140カ所の中継局網も2023年12月に完成予定、既存大手通信事業者と遜色のないネットワークが完成し、ハイパースケール事業者、CATV事業者、地方の通信事業者、地方の法人向け等への通信サービスの提供が全国規模で可能となりつつある。

 PDSCNは、ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島を結ぶフィリピン国内を縦貫する回線で、その工事区間は24区間、ケーブルの長さは約2,500Km、人口カバー率は96%、総投資額は1億4,200万米ドル(原則3社均等)。別途、伝送装置やインフィニVAN単独の陸上部分の費用を合計すると、インフィニティVANの投資額合計は約6,300万米ドル(約85億円)となる。

 また、メディカル&ヘルスケアの事業分野においては、予防医療を主とした医療施設ではフィリピンで初となる、人間ドック/健診センター「SHINAGAWA DIAGNOSTIC & PREVENTIVE CARE CENTER(SDPCC)」を2023年4月に開業した。SDPCCでは、フィリップスや富士フイルムが提供する最新の医療機器を導入している。さらに、院内ラボを設置し、検査当日中での健診結果提供を実現したほか、日本が得意とする画像診断技術を活用し、検査画像は日本とフィリピンの専門医によるダブルリーディングの実施を行っている。