9月の失業率4.5%(前年同月5.0%)、12カ月連続の4%台

週平均40.8時間労働、不完全就業率10.7%で最低水準に

2023/11/09

 フィリピン統計庁(PSA)は11月8日、2023年9月の労働力調査(LFS)速報を発表した。それによると、2023年9月の15歳以上の失業率は4.5%で、前月(4.8%)から0.1%ポイント上昇したが前年同月(5.0%)からは0.5%ポイント改善した。12カ月連続で4%台となり、年初9カ月の平均失業率は4.6%であった。

 2023年9月の15歳以上の人口7,795万人のうち、労働力人口は前年同月比0.3%減の4,993万人。労働参加率は64.1%となり前年同月(65.2%)、前月(64.7%)から低下した。

 失業者数は前年同月比9.4%減の226万人。年齢層でみると、15歳-24歳が全体の38.6%、25歳-34歳が34.4%と合計で全体の73.0%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は33.4%(卒業者は25.7%)、大学進学・卒業者が44.5%(卒業者は34.0%)だった。性別では、男性52.7%、女性47.3%と男性が上回っている。

 就業者数は前年同月比0.2%増の4,767万人、就業率(雇用率)は94.1%で、前年同月(94.7%)及び前月(95.2%)を下回った。就業者を業種別に分類すると、農業部門が21.5%(前年同月22.5%)、鉱工業部門が18.1%(同18.6%)、サービス部門が60.4%(同58.9%)であった。

 就業形態は、賃金労働者が全体の64.7%を占め、その50.6%が民間企業労働者、9.5%が政府系企業社員・公務員だった。自営・事業主は全体の28.5%、無給家内労働者は6.7%。また、週平均労働時間は40.8時間で、前年同月の39.6時間を1.2時間上回った。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の68.0(前年同月64.7%)。

 一方、不完全就業者(職に就いているが調査期間中に働いていなかったり、労働時間が報告されていない就業者を含む)数は前年同月比30.2%減の511万人。不完全就労者全体の62.7%が労働時間週40時間以下だった。不完全就業率は10.7%で、前年同月(14.7%)及び前月(11.7%)から低下、現行基準での最低水準となった。

 フィリピンの失業率等の比較(単位:%)
全国 労働参加率 失業率 不完全就業率
2019年 61.3 5.1 13.8
2020年 59.5 10.3 16.2
2021年 63.3 7.8 15.9
2022年 64.7 5.4 14.2
 
2022年 9月 65.2 5.0 15.4
10月 64.2 4.5 14.2
11月 67.5 4.2 14.4
12月 66.4 4.3 12.6
2023年 1月 64.5 4.8 14.1
2月 66.6 4.8 12.9
3月 66.0 4.7 11.2
4月 65.1 4.5 12.9
5月 65.3 4.3 11.7
6月 66.1 4.5 12.0
7月 60.1 4.8 15.9
8月 64.7 4.4 11.7
9月 64.1 4.5 10.7
9カ月間平均 64.7 4.6 12.5
(出所:PSA資料より作成、2022年10月以降全て速報値)