比銀行業界の不良債権比率、9月末3.40%に

前月末(3.42%)、前年同月末(3.42%)から小幅改善

2023/11/12

 フィリピン中央銀行(BSP)は11月10日付け速報データによると、2023年9月末のフィリピン銀行業界の総融資残高に占める総不良債権(元利回収遅延債権、NPL)比率は3.40%で、前月末及び前年同月末の3.42%から改善した。また、不良債権(NPL)貸倒引当率は103.65%となり、前月末の103.02%、前年同月末の102.54%から上昇した。

 総資産に占める不良資産(NPA、元利回収遅延融資+担保権行使による取得不動産等)比率は2.35%で、前月末及び前年同月末の2.40から改善した。一方、不良資産(NPA)貸倒引当率は86.38%で前月末及び前年同月末から上昇した。

 フィリピン銀行業界の不良債権・不良資産比率など(月末値、単位:%)
項目 2022年9月 2023年8月 2023年9月
総融資に占める総不良債権(NPL)比率 3.42 3.42 3.40
NPL貸倒引当比率 102.54 103.02 103.65
総融資残高(TLP)貸倒引当比率 3.51 3.52 3.53
総資産に占める不良資産(NPA)比率 2.40 2.40 2.35
不良資産(NPA)貸倒引当比率 85.28 85.98 86.38
(出所:BSP資料より作成)

 
フィリピン銀行業界の不良債権(元利回収遅延債権=NPL)比率などの推移(単位:億ペソ、比率%)
年月 総融資残高 NPL残高 貸倒引当残高 対総融資NPL比率 NPL貸倒引当比率 TLP貸倒引当比率
13年末 48,970 1,355 1,609 2.77 118.69 3.29
14年末 58,324 1,348 1,616 2.31 119.83 2.77
15年末 65,273 1,365 1,616 2.09 118.42 2.48
16年末 76,121 1,442 1,728 1.89 119.89 2.27
17年末 88,656 1,530 1,843 1.73 120.44 2.08
18年末 100,779 1,778 1,871 1.76 105.22 1.86
19年末 109,661 2,241 2,075 2.04 92.59 1.89
20年末 108,726 3,949 3,672 3.63 92.98 3.38
21年末 113,911 4,525 3,968 3.97 87.70 3.48
22年末 126,251 3,988 4,267 3.16 107.00 3.38
23/1月 123,480 4,051 4,305 3.28 106.26 3.49
2月 124,142 4,112 4,315 3.31 104.95 3.48
3月 124,704 4,150 4,367 3.33 105.23 3.50
4月 125,600 4,279 4,420 3.41 103.30 3.52
5月 126,000 4,361 4,440 3.46 101.81 3.52
6月 127,434 4,376 4,451 3.43 101.70 3.49
7月 128,237 4,401 4,502 3.43 102.31 3.51
8月 129,647 4,429 4,563 3.42 103.02 3.52
9月 130,535 4,443 4,605 3.40 103.65 3.53
(出所:BSP資料より作成)