大手外食企業、9カ月間で二桁増収増益に

ジョリビーフーズ純利益1%減も営業利益48%増加

2023/11/21

 主要外食企業5社の2023年9カ月間の(1月~9月)決算発表が出揃った。

 今9カ月間は外出・移動規制の更なる大幅緩和や経済再開本格化、宅配やテイクアウト事業の強化、デジタル化推進などで5社とも二桁増収となった。コスト増の影響も大きかったが、二桁増収効果や経費節減などにより3社が大幅増益決算となった。下表のように、2022年の大幅増収増益から続伸ペースとなっている。

 ファーストフード・チェーン最大手のジョリビー フーズ(証券コード:JFC)の9カ月間の収入は前年同期比(以下同様)15%増の1,784億ペソ、報告純利益は1%減の72億ペソであった。しかし、前年同期に土地譲渡・不動産売却益53億ペソが計上されており、この53億ペソを除いた増益率は380%増(手許計算)となる。すなわち、実質大幅増益であった。

 有力持株会社アライアンス グローバル グループ(AGI)関連会社のゴールデンアーチス デベロップメントによって展開されているマクドナルド フィリピン(比マクドナルド)の純利益は45%増の14億6,800万ペソと二桁増益。ピザやペリペリ炭火焼チキンチェーンを展開するシェーキ―ズ ピザ アジアベンチャーズ(PIZZA)は64%増益、ジュースバー(スタンド)・飲食店を運営するフルータスは62%増益だった。

 一方、Max'sレストラン、パンケーキ・ハウス、イエローキャブ・ピザ、クリスピー・クリーム・ドーナツなどを展開するMax'sグループ(MAXS)は27%減益となった。マーケティング活動の強化等による営業経費・店舗関連費用の増加が利益を圧迫した。

  2023年9カ月間の主要外食企業の業績比較(単位:百万ペソ、純利益は総純利益ベース)
企業名 総店舗数 収入 増減率 純利益 増減率 前年純利益
ジョリビーフーズ 6,720店 178,358 15% 7,225 -1% 7,308
マクドナルド フィリピン 705店 30,929 29% 1,468 45% 1,010
Max'sグループ 657店 8,758 13% 314 -27% 428
シェーキ―ズ ピザ アジア 2,021店 10,383 53% 746 64% 454
フルータス 826店 1,789 42% 70 62% 43
(出所:第3四半期事業報告書より作成、注:シェーキーズ、フルータスはキヨスクなど超小型店含む、フルータスは10月末時点)

 2022年の主要外食企業の業績比較(単位:百万ペソ、利益は総純利益ベース)
企業名 店舗数(国内) 収入 増減率 純利益 増減率
ジョリビーフーズ 6,480店(3,285店) 217,576 38% 7,338 33%
マクドナルド フィリピン 国内704店 34,974 38% 1,812 115%
Max'sグループ 667店(601店) 10,983 44% 622 38%
シェーキ―ズ ピザ アジア 1,772店 10,142 85% 874 611%
フルータス 国内780店 1,799 63% 82 黒字転換
(出所:2022年事業報告書より作成)