日本郵船のフィリピン商船大学NTMA、卓越した成果

創立16周年、17日に12期生の卒業式、累計卒業生1,456人に

2023/11/28

 日本郵船がマニラ近郊でトランスナショナル・ダイバーシファイド・グループ(TDG)と共同運営する商船大学NYK-TDG マリタイムアカデミー(NTMA)は、11月17日、第12期生96名の卒業式を開催した。

 卒業式典には在フィリピン日本国大使館の二瓶大輔経済公使やフィリピン海事産業庁のフェルナイ.N.ファビア長官など多数の来賓を迎え、日本郵船の曽我貴也代表取締役社長、TDGのJ.ロベルトC.デルガド会長らが出席し卒業を祝った。

 NTMAは新型コロナウイルスパンデミックのため、当時寮生活や学内授業ができない状況下、いち早くオンライン授業に切り替え、学生の安全を確保しながら就学の機会を逸しないよう実習授業の日程を変更するなどして、乗船訓練へのコロナ禍による影響を最小化した。しかし、未曽有の世界的大混乱の煽りは避けられず、第12期生は1年遅れの卒業となった。

 NTMAは、NYK Qualityの船員育成を目指して2007年に開校し、今年で創立16周年を迎えた。独自の奨学金制度を設け、経済的に進学が困難な学生に就学の道を開いている。2011年8月には、日本の国土交通省が創設した機関承認制度で海外における日本初の船員教育機関校として認定を受けた。また卒業生は、フィリピンの海技国家試験で高い合格率を維持している。

 2011年9月卒業の第1期生から今回の第12期生までの累計卒業者数は1,456人に達し、卒業生の多くが日本郵船グループ運航船で航海士または機関士として活躍している。2021年4月にはNTMA卒業生から開校以来初の船長が誕生し、2022年4月には初の機関長が誕生した。また、卒業生の多くが安全運航の一翼を担う重要な陸上ポジションで活躍しており、その活躍の場が、日本、シンガポール、豪州等、日本郵船の重要拠点に広がっている。

 日本郵船グループは今後もNTMAで培った船員教育の知見を活かし、フィリピン人船員の育成およびシンガポールをはじめとする世界主要拠点での船員研修の拡充に引き続き尽力していく方針である。

 なお、トランスナショナル・ダイバーシファイド・グループ(TDG)は、1976年に現会長のデルガド氏により設立された企業グループで、船舶の代理店業と船員供給・教育事業に加えて、航空事業や物流事業を行っている。日本郵船とは、設立時の1976年から協力関係にある。

<NYK-TDG MARITIME ACADEMY概要>
開校日:2007年6月3日
規模:学生(募集定員数) 航海科 60名 / 機関科 60名 1学年計120名程度
職員:約70名
場所:マニラ近郊カランバ市カンルーバン(マニラ市内から車で約1時間)
システム:3年間の講習と1年間の乗船実習の4年制
理念:学生個々の人格形成と実践的な海事技術の習得を中心にした世界に通用する船員の高等教育を行う。